窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

力強いコクガンの飛翔

2019-12-23 17:05:51 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

コクガンがもうすぐ野付湾からいなくなります。0℃を下がる気温が続き、

湾内の氷が3割以上に広がってきたからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★  力強いコクガンの飛翔  ★

10月に姿を見せてから根室湾を中心に野付湾や太平洋側の浜中湾などの餌場

に通う生活をしていたコクガンたち。徐々に東北地方に移動しており、12月

22日には3200羽ほどに数が減少しています。

それでも野付湾のアマモの豊富さに多くのコクガンが逗留しています。

彼らは早朝、太陽が出る前の薄暗い時に外海から湾内に移動してきます。

国後島方面からくる群れや本別海側からくる群れがいます。夕方は日没前後

に湾内から出ていきます。

これまでいることが分かっていてもなかなか存在が確かめられてこなかったのは、

大きな群れ移動が薄暗くなってから始まることが発見されずらかった理由です。

コクガンの飛ぶ速度は早く、海上を低空で飛んできて、湾内に入って行きます。

餌場に向かう時に少し上昇しますが、海面すれすれに飛んできます。

体が黒いのでウミウやヒメウと見過ごす方も多いのです。湾内に入ると静かに

食事に励むのでどのくらいの数がいるかのか、分かりづらい。

いるのが分かるときはオジロワシやオオワシが偵察飛行にやってきたとき、

一斉に群れが飛び上がり黒い団子集団ができるときくらいです。

普段は穏やかな飛び方をして移動しますが、時々4、5羽が食事している群れ

の上を旋回しながら飛び回ります。その素早さは眼を見張るものがあります。

他のガンに比べると細長い翼、先が尖り空気を切る力が強いことを忍ばせます。

方向転換が早く鋭角的でとてもガンの仲間には見えない動きをします。

海上生活が主体で、ワシや他の外敵から身を守り、強風や荒波に対応できる

能力が翼に反映しているのでしょう。

コクガンを観察しているときはいつも退屈なものですが、アクロバティック

な飛行だけは眼を開いて見入ってます。



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