晴れていても、依然として風は冷たい。春の強い息吹きが待ち遠しい。さて、栃木県佐野市柿平町の自生地で、センツブンソウ(節分草)の花が咲き始めた。
開花の程度は、最盛期の場合にくらべて10-20%であったろうか、咲き誇るとの形容にほど遠い状況であった。それでも、積もっている枯れ落ち葉の間に、このスプリング・エフェメラルの姿を見つけたとき、再び逢うことができたかとの安堵感を、私達は持った。2月24日12-14時頃。
植物名はカタカナで書くことが通例となっているが、このものには漢字名が相応しいと、私は思う。
節分草:キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草、関東以西に分布し、山地の木陰などの石灰岩質の土地を好む。花(萼)が白いものは日本固有種であると言われている。黄色のものはヨーロッパ産だ。
白い花(萼)、黄色の丸い花弁、多数の雄しべ、数個の雌しべ、ユニークな形状の葉(包葉)などの組み合わせには、実に妙なるものがある。節分草には、どのような進化の過程があっただろうか。
昨日も、地元の方から、「かつて、柿平では節分草が身近な雑草のようであった。」と聞いた。身近な雑草が貴重なものになっていく。その原因を想像すると、複雑な思いに駆られる。
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自生地のそばには「菜蟲館(さいちゅうかん)」と呼ばれる公的施設(地元産食品の販売、食堂(そば)、開店日:土曜・日曜・祝日)がある。この施設はカーナビに登録されている。また、この地形(自生地からやや遠方)も目印となるだろう。ところで、今年は杉林が如何にも悩ましい色を帯びている。
昨年の記事でも書いたが、自生地では午後1時頃になると陽射しがなくなる(山陰)。
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EOS 6D、EOS EF 100 mm F2.8L (Macro) IS USM、ISO感度200-800、シャッター速度 1/200-1/1000 秒、絞り F3,5-6.0、絞り優先、手持ち。