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海外からも疑問、詩織さん性的暴行事件になぜ日本は沈黙するのか 2018.2.9 mag2news by 新恭

2018-02-13 12:23:28 | 命 人権 差別

 

海外からも疑問、詩織さん性的暴行事件になぜ日本は沈黙するのか

MeToo 伊藤詩織 山口敬之

伊藤詩織さんへの準強姦容疑で一度は逮捕状が取られたものの、不可解な理由でその執行を免れた、安倍首相と関係が深いとされるジャーナリスト・山口敬之氏。しかし我が国で、この件に関して大手メディアが報じることはほとんどありません。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんがその明快な理由を記すとともに、「山口氏救出」に安倍官邸が絡んでいないのならばその潔白を証明すべきと指摘しています。

詩織さん性的暴行事件にマスコミはいつまで沈黙を続けるのか

準強姦容疑で逮捕される寸前、警視庁刑事部長から担当警官にストップがかかり、危ういところでお縄を免れた「アベ友」ジャーナリスト、山口敬之氏

国の助成金をだまし取った疑いのかかるペジーコンピューティング社の顧問として、家賃月額200万円の部屋をあてがわれたうえ、月200万円の顧問報酬をもらっていたともいわれる。いったい彼は何者なのか。

ニューヨーク・タイムズ紙は、元TBSワシントン支局長、ジャーナリスト、といった肩書きをつけるとともに、「biographer of Prime Minister Shinzo Abe」と紹介した。すなわち安倍晋三首相の伝記作家だというのである。

山口氏の著書は『総理』『暗闘』の二冊。いずれも「誰よりも政権中枢を取材してきたジャーナリストによるスクープ・ノンフィクション」というふれこみだ。

だがNYタイムズはこれを「伝記」だとみなしている。ジャーナリズムとは認めていないのだ。きわめて常識的ではないか。

総理と懇ろになり政権中枢の舞台裏を描くのはもちろん素晴らしい。そこから読者が得られる情報はたくさんあるだろう。

ただし問題は、総理の側の単眼的な世界観から抜け出せないことだ。著しくバイアスのかかった見方にならざるをえない。だから、ジャーナリストではなく、伝記作家の作品であると読者側は割り切っておく必要があるだろう。

さて、その山口氏に就職の相談に乗ってもらったばかりに性的暴行されたと訴えている伊藤詩織さんは1月24日、イスラエルのニュース放送「i24NEWS」に出演し、こう語った。

性暴力に関して声をあげても、日本の社会ではあまり受け入れられません。私自身、多くの脅迫を受け、安心して東京に住めなくなりロンドンに移り住みました。

伊藤さんはジャーナリストとしてロンドンを拠点に活動しているようだ。立場の強い男性から受けた彼女の性的暴行被害について、日本ではマスメディアのほとんどが沈黙を続けているが、イスラエルの番組がそうであるように、海外メディアの注目度は高い。

ハリウッドのプロデューサー、ハーヴィー・ワインスタイン氏がセクハラや性的暴行をしていた疑惑をきっかけとして「Me Too」の声が続々と上がるなか、伊藤さんの事件は一個人の問題を超え、グローバルな視点でとらえられている

昨年11月以来、フィガロ、ル・モンド、BBCなど欧米メディアが伊藤さんの性的暴行事件を取り上げてきたが、最も大きな紙面を割いて報じたのは、12月29日付の米ニューヨーク・タイムズ紙だった。

同紙は一面トップに“She Broke Japan’s Silence on Rape”(彼女は性的暴行被害について日本の沈黙を破った)という見出しでこの一件を扱い、伊藤さんと山口氏の写真を大きく掲載するとともに二人からインタビューした内容を綴っている。当時、最もよく読まれている記事のトップ10に入るほど、反響を呼んだ。

King Nothing  ♐️ @Thnx4NothinDear 2017年12月29日

 

記事では、TBSワシントン支局への就職を希望する伊藤さんを山口氏が東京で飲みに誘い、泥酔して気を失っている間に宿泊しているホテルの部屋に連れ込んで性的暴行したという伊藤さんの主張とともに、山口氏はこの容疑を否認し不起訴になったという事実が紹介された。そのうえで以下のように、日本社会が女性の性被害に後進的であることを指摘した。

どこか別の国だったら、伊藤さんの告発は大騒動を引き起こしたかもしれない。しかし、日本ではいまだに性的暴行の話題は避けるべきであるという雰囲気がある。性的暴行被害を警察に訴える女性は少なく、訴えたとしても逮捕されたり起訴されることはほとんどない。

かつてウォーターゲート事件を暴いたアメリカの新聞記者のようなマスコミ人が日本にいれば、政権への忖度なく報道し、官邸と捜査当局の闇を暴く大スキャンダルに発展するかもしれない。

日本では、役所丸抱えの記者クラブという制度が、報道の便宜性と同時に障害にもなっている。

警察や検察を担当する記者クラブは、情報提供元との良好な関係を維持するため、捜査当局にかかわる問題を報じることについて極端に慎重である。

いわゆる「サツまわり」の社会部記者は、警察幹部や検事への夜回り取材によって特ダネをものにすることが多い。嫌われたらおしまいだ。

しかも、山口氏への逮捕状執行を直前になってストップさせた警視庁刑事部長、中村格氏(現・警察庁長官官房総括審議官)は、2012年から2年余り菅義偉官房長官の秘書官をつとめ、官邸人脈とのパイプが太い。

安倍官邸は、よく知られているように、経産省とともに警察官僚が力を持っている。事務方の官房副長官が元警察庁警備局長、杉田和博氏であり、中村氏らと連携して、秘密保護法や共謀罪などの政策決定に関与してきた。

元警察庁警備局外事情報部長で、現在、内閣情報調査室を統括する内閣情報官、北村滋氏も安倍シンパの警察官僚といえる。山口氏が伊藤さんの問題で北村氏にメールで相談を持ちかけていた形跡があることも報じられている。

山口氏への逮捕状執行がとりやめになると同時に、事件の捜査をしてきた高輪署の捜査員と検事は担当を外された。異例なことである。上層部が特別な判断をしたと考えるほかない。

この事件を記者クラブ所属の大メディアが取り上げるのは、捜査当局を担当する社会部にとっても、官邸を担当する政治部にとっても、かなりハードルの高いことだったに違いない。

伊藤さんは勇気をふるって性的暴行被害を公表したが、日本国内においては、こうしたメディア事情の厚い壁に阻まれ、むしろ山口氏を支援する人々の脅迫を受けて、東京から脱出せざるを得なかった。

伊藤さんの著書「ブラックボックス」には、「マスコミの冷たい反応」を書いたくだりがある。

山口氏逮捕の中止に疑問を抱いた伊藤さんは知り合いの紹介で、日本テレビの警視庁記者クラブの記者に会った。その記者はすぐにインタビュー映像を撮ってくれた。山口氏が書類送検されるタイミングで報道すると記者は言っていたが、実行されず、次に出してきた「年明けのタイミングでとか不起訴になったら報道するという約束も反故にされていった。そして以下の記述。

東京新聞の記者にも遭った。彼女は優秀な論説委員として知られ、親身に話を聞いてくれた。しかし、やはり事件として報じるにはタイミングが難しい、と言われた。「逮捕された」のならニュースになるが、「逮捕されなかった」では、どのように報じるか難しい、と説明する人もいた。
(『ブラックボックス』より)

捜査機関が記者クラブで発表した容疑事実をそのまま報じる、というのが、日本のマスメディアの通例なのだ。警察、検察、役所、政府高官といった「権威」から出た情報をなぜか「客観情報」とし、それを世間に伝えるのが「客観報道主義」ということになっている。

記者が自分の足でさまざまな角度から調べ尽くし、自社や記者の責任において記事を掲載するという当然あるべき報道姿勢を、大メディアは主として経営陣の保身から回避しがちだ。

「記者の主観」による報道では、名誉毀損などで損害賠償訴訟を起こされた場合に逃げ道がないが、「権威のお墨付きを得た情報ならば万が一の時も安心、というわけだ。

しかし、考えてみれば、それも「権威筋の主観」にすぎない。「客観」ではないのである。しかも伊藤さんのケースでは、「権威そのものが不適切なことをやってしまった疑いが濃いのだ。

山口氏は書類送検されたが、検察は不起訴とした。伊藤さんは最後の手段として、検察の判断が妥当かどうかを一般市民が判断する検察審査会にこの件を持ちこんだ。

検察審に申し立てたことを公表するため、伊藤さんは名前と顔をさらして司法記者クラブでの記者会見にのぞんだ。家族の反対もあった。思い悩んだ末の勇気ある決断だった。

会見の直前に知人のジャーナリストからこんな電話がかかってきたという。

「政府サイドが各メディアに対し、あれは筋の悪いネタだから触れないほうが良いなどと、報道自粛を勧めている。…これでは会見を報道する社があるかどうか…」

案じていた通り、司法記者クラブ加盟の大メディアはこの会見に出席しながらも、報じることはなかった

伊藤さんは山口氏に1,100万円の損害賠償を求めて民事訴訟を起こしているが、これについても、報じた大手メディアは筆者が知る限り朝日新聞だけだった。

だが、朝日の記事にしても、山口氏については「元TBS記者の男性ジャーナリスト」と実名を出さないうえ、「警視庁は男性を準強姦容疑で捜査したが、東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分とした」と書くのみで、警視庁の中村格刑事部長が逮捕を中止させたという核心的な事実には触れていない。

メディアを動かして国民の議論を促すべく、野党議員らは超党派の「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」を立ち上げた。

昨年12月1日、5日の衆議院法務委員会で、柚木道義議員が中村氏の出席を求めたのは、山口氏逮捕取り消しの真相解明のためだったが、与党理事たちの反対で、中村氏はついに姿を現さなかった。与党のそんな姿勢は今年の通常国会でも続いている。マスメディアはあいかわらず沈黙を守ったままだ。

柚木議員が安倍首相の見解を初めて問いただしたのが、今年1月30日の衆院予算委員会における質疑だった。

柚木議員「安倍総理、『総理』という本を書かれた方ですから、非常に親しい関係であることはわかるんですが、この方が準強姦罪で捜査対象であったことをご存知でしたか」

安倍首相「個別の案件について答える立場ではございません」

柚木議員「世界中が日本を性暴力被害後進国と思っている。性犯罪を厳罰化する刑法改正をしても、もみ消しがあったら何の意味もない。捜査が行われているのを知っていたかどうか答えていただきたい」「『総理』が出版されたのは、著者が不起訴になる直前です。不起訴になることをご存知だったのでは」

安倍首相じゅ準強姦ですか、そういう個々の事件についてですね、総理大臣が報告を受けるという事はないということは、はっきりと申し上げておきたい」

安倍首相の答弁には明らかなクセがあって、都合の悪いことを空とぼけるさいには、「じゅ、ジュン強姦ですか」のような言い方をする。森友問題では「モリトモ…学園ですか」「えーカゴイケさんかな」と、よく知らないフリをしてみせた

山口氏をクロだと決めつけるのはよくない。だが、一度は高輪署が逮捕状をとったように、状況的には限りなくクロに近いのだ。

就職の相談に乗るのに、鮨屋などをはしごして酒を飲む必要などあるわけがない。コーヒー一杯ですむことだ。女性が酔いつぶれて、近くの駅で降ろしてくれとタクシー運転手に懇願しているのに、宿泊する高級ホテルへつけさせたのはなぜなのか。一人で帰れないと判断したのなら、彼女の住まいまで送っていくのが紳士だろう。

ホテルに向かったのを許容するとしても、彼女に別の部屋をとるならともかく、自分の部屋に連れ込んだうえ、嘔吐を繰り返し意識がもうろうとしている女性と性交渉におよぶとはなにごとか。

山口氏救出に安倍官邸がからんでいないというのなら、政府与党は中村氏を国会に呼びしっかり説明させるべきである。

 

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【産経新聞デマ記事のソース元は!】裏どりせず、沖縄ネトウヨ・手登根康則氏の情報で記事を書く産経・高木桂一記者、時には自ら情報をねだることも

2018-02-13 00:55:33 | 報道 NHK 民放

 さて、名護市長選挙も終わった今日この頃、産経がやっとだしてきた「沖縄米軍の救出報道、おわびと削除」
産経新聞高木桂一沖縄支局長・のあのデマ記事の経過は?

産経のおわびと削除の記事には何一つ書かれてはいないが、もちろん、今回のデマも、あのネトウヨ手登根がソースであり、デマ提供元である。

 


<引用元Osprey Fuan Club うようよ対策課

産経ブーメラン ③ ネトウヨ手登根安則を情報源に沖縄ヘイトデマ記事を書き続ける高木桂一。産経新聞は、「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ。」2018-02-08

・・・・・・

12月3日、ネトウヨ手登根安則が拡散開始


またしてもニュース女子手登根安則が拡散したこの情報。

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産経新聞の高木桂一が指示通り記事にしましたなどと、いそいそと報告を入れる。

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※ 気をつけてほしい。高木桂一は海兵隊に「裏取り」をとったのではない、「コメント」をもらっただけ。

 

ここで確認しておきたいのは情報源は、まずもって海兵隊でも事故にあった海兵隊員の妻でもない。

 この産経沖縄支局長・高木桂一の情報提供は第一にネトウヨ手登根安則である。

 ほかの情報は後付けでしかない。・・・

 

 

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これも別件だが、

手登根に情報をくださいと頼む産経新聞の高木桂一。

そもそも高木桂一の取材先は現場ではなく、手登根の「沖縄情報」。

 

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※ 「手登根さん」に公式情報を尋ねる高木桂一 (笑)

 

裏取りもせずに手登根ネトウヨ情報で記事を書く

ネトウヨ記者・高木桂一氏の面目躍如というところか。

 

◆◆◆◆◆ 

 事故後に精神的にパニックになっている妻の SNS 投稿だけを頼りに、手登根が沖縄ヘイトに仕立て直したデマ。それを産経新聞の高木桂一は、まっとうな裏取り取材することなく、そのまんま記事にしたのだ。 

高木が沖縄二誌に投げかけた「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥」という言葉は、裏取りもしないでデマとヘイトを紡ぎだし、上から目線でウソたれる産経に突き刺さる、

 これほどまで豪快なブーメランを、貴方は見たことがあるだろうか (笑) 。

 

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【沖縄2紙が報じない】危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー

Infoseekニュース

那覇支局長 高木桂一)

2017年12月9日 18時6分

 12月1日早朝、沖縄県沖縄市内で車6台による多重事故が発生した。死者は出なかったが、クラッシュした車から日本人を救助した在沖縄の米海兵隊曹長が不運にも後続車にはねられ、意識不明の重体となった。「誰も置き去りにしない」。そんな米海兵隊の規範を、危険を顧みずに貫いた隊員の勇敢な行動。県内外の心ある人々から称賛や早期回復を願う声がわき上がっている。ところが「米軍=悪」なる思想に凝り固まる沖縄メディアは冷淡を決め込み、その真実に触れようとはしないようだ。 沖縄県を席巻する地元2紙のうちの「沖縄タイムス」は2日付社会面で、くだんの事故をこう伝えた。記事はベタ扱いである。

 《1日午前4時53分ごろ、沖縄市知花の沖縄自動車道北向け車線で、車両6台が絡む事故があった。県警によると在沖米海兵隊の男性曹長(44)が本島中部の病院に救急搬送されたが、意識不明の重体となっている。事故の影響で、沖縄南インターチェンジ(IC)から沖縄北ICまでの北向け車線が6時間以上通行止めになり、最大で12キロの渋滞が発生した。県警が詳しい事故原因を調べている。

 県警交通機動隊によると軽自動車と乗用車の追突事故が起き、軽自動車が横転。事故に気付いて停車した別の軽自動車に、曹長の車が接触した。曹長は路肩に車を止めて降り、道路上にいたところ、走行してきたキャンプ・ハンセン所属の男性二等軍曹(28)が運転する乗用車にはねられたという。横転車両の50代男性運転手は軽傷だった》

 重体となった「米海兵隊曹長」の氏名は記事には触れていないが、ヘクトル・トルヒーヨさんである。

 かたや「琉球新報」もこの事故を2日付社会面の準トップ扱いで報じた。内容はほとんど変わりない。

 しかしトルヒーヨさんはなぜ、路上で後続車にはねられるという二次事故に見舞われたのか。地元2紙の記事のどこにも書かれていない。

 実はトルヒーヨさんは、自身の車から飛び出し「横転車両の50代男性運転手」を車から脱出させた後、後方から走ってきた「米軍キャンプ・ハンセン所属の男性二等軍曹」の車にはねられたのだ。50代男性運転手は日本人である。

 沖縄自動車道といえば、時速100キロ前後の猛スピードで車が走る高速道路だ。路上に降り立つことが、どれだけ危険だったか。トルヒーヨさんは、自身を犠牲にしてまで日本人の命を救った。男性運転手が幸いにも軽傷で済んだのも、トルヒーヨさんの勇気ある行動があったからだ。

 妻のマリアさんは3日、自身のフェイスブックにこう投稿した。

 「最愛の夫は28年間、私のヒーローです。夫は美しい心の持ち主で、常に助けを必要としている状況や人に直面したとき、率先して行動する人です。

 早朝、部下とともに訓練があるため、金曜日の午前5時高速道を走行中に事故を目撃した。関わりのない事故だと、見て見ぬ振りして職場への道を急ぐこともできました。

 でも主人は自分の信念を貫き、躊躇(ちゅうちょ)せず事故で横転した車内の日本人負傷者を車外に助け出し、路肩へと避難させました。そして私の夫は後ろから来た車にひかれてしまいました。

 彼のとった無我無欲で即応能力のある行動こそが真の勇敢さの表れです。私の心は今にも張り裂けそうです。主人はサンディエゴ州の海軍病院に搬送されました。みなさんにお願います。どうか私の主人のためにお祈り下さい」

 トルヒーヨさんは3人の子供の父である。マリアさんの夫への「思い」は世界中で反響を呼び、トルヒーヨさんの勇気ある行動を称えるとともに、回復を祈るメッセージが続々と寄せられている。日本国内でもネット上に沖縄県内外を問わず同様の声が巻き上がっている。

 米第三海兵遠征軍の担当官は産経新聞の取材にこう答えた。

 「海兵隊はいかなる状況であろうとも、また任務中であろうと任務中でなかろうとも、体現される誠実や勇気、献身といった価値をすべての海兵隊員に教え込んでいる。別の運転手が助けを必要としているときに救ったトルヒーヨ曹長の行動はわれわれ海兵隊の価値を体現したものだ」

 トルヒーヨさんは事故直後、沖縄本島中部の病院に運び込まれたが、米国カリフォルニア州サンディエゴの海軍医療センターバルボアに移送され、集中治療を受けている。

 沖縄の米第三海兵遠征軍の担当官によれば「海兵隊は、状況に応じて必要な治療のすべてを兵士に提供できるよう努めている。今回のケースは医療専門家が、より高いレベルの治療が可能な病院に移すことが必要だと判断された」ということだ。

 むろん家族の滞在費もかさむ。米国内では有志たちがトルヒーヨさんと家族を金銭的に支援するためクラウドファンディングを立ち上げた。

 身を挺(てい)して日本人を救ったトルヒーヨさんの勇敢な行動については、米CBSテレビも報じた。

 翻って沖縄県のメディアはなぜ、こうも薄情なのだろうか。それでも事故後、この「報道されない真実」がネット上でも日増しに拡散されている。「続報」として伝えることは十分可能だが、目をつぶり続けているのである。

 折しもトルヒーヨさんが事故に見舞われた12月1日には、沖縄県うるま市で昨年4月、女性会社員=当時(20)=を暴行、殺害したとして殺人罪などに問われた、元米海兵隊員で軍属だったケネス・シンザト被告(33)の裁判員裁判判決公判が那覇地裁であり、柴田寿宏裁判長は無期懲役の判決(求刑無期懲役)を言い渡した。

 琉球新報沖縄タイムスともにこれを1面トップで報じ、社会面でも見開きで大きく展開した。天皇陛下が平成31年4月30日に譲位されることが決まった歴史的ニュースも1面の準トップに追いやったほどだ。

 むろん極悪非道な犯罪を犯したシンザト被告は許されるべきではない。悲嘆にくれる被害者の遺族の心中を察するに余りある。しかし被告が「元米軍属」「元海兵隊員」ではなく「日本人」だったら、どうだったろう。

 常日頃から米軍がらみの事件・事故が発生すると、「けしからん!」「米軍は出て行け!」と言わんばかりにことさら騒ぎ立て、米軍の善行には知らぬ存ぜぬを決め込むのが、琉球新報沖縄タイムスの2紙を筆頭とする沖縄メディアの習性である。

 かくして今回のトルヒーヨさんの美談も、シンザト被告の無期懲役判決報道にかき消され、完全に素通りされてしまった。わけても「差別」に敏感な2紙は昨今、「沖縄差別」なる造語を多用しているが、それこそ「米軍差別」ではないか。

 ちなみに今年8月5日には米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市所属の輸送機オスプレイがオーストラリア沖で墜落した際、翁長雄志(おながたけし)知事はじめ沖縄県は多分にもれず米軍を激しく非難、抗議するだけで、死亡した海兵隊員3人に対して哀悼(あいとう)の意向を示すことは一切なかった。

 「反米軍」一色に染まる沖縄メディアも右にならえだ。翁長県政ともども、日本とその周辺地域の安全と安定のために日夜命がけで任務にあたる米軍への「敬意」を持ち得ないスタンスは、トルヒーヨさんへの無慈悲な対応でも浮かび上がる。

 遅ればせながらここで初めて伝えている記者自身も決して大きなことは言えないが、トルヒーヨさんの勇気ある行動は沖縄で報道に携わる人間なら決して看過できない事実である。

 「報道しない自由」を盾にこれからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ。とまれ、トルヒーヨさんの一日も早い生還を祈りたい。(那覇支局長 高木桂一)」

 

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