https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170724/k00/00m/010/069000cより転載
郡和子氏が初当選 自公敗北、加計問題影響
毎日新聞2017年7月23日 22時21分(最終更新 7月23日 23時52分)
任期満了に伴う仙台市長選は23日投開票され、民進党元衆院議員の郡和子氏(60)=民進、社民両党宮城県連支持、共産党県委員会、自由党支援=が、冠婚葬祭会社社長の菅原裕典氏(57)=自民党県連、公明党県本部、日本のこころ支持=ら新人3人を破り、初当選を果たした。
投票率は44.52%で、過去最低だった前回の30.11%を上回った。自民党は東京都議選に続く敗北となり、今後の政権運営に影響が出るのは必至だ。
2期目の奥山恵美子市長が4月に退任を表明。郡氏と菅原氏のほかに、いずれも元衆院議員の林宙紀氏(39)と大久保三代氏(40)が名乗りを上げた。事実上の与野党対決の構図で、村井嘉浩県知事と奥山市長が菅原氏を支援した。
元民放アナウンサーの郡氏は、衆院議員4期の実績を強調するとともに、学校法人「加計学園」問題と重ね合わせて、村井知事や奥山市長と近い菅原氏を批判。「反自民」の受け皿としてクリーンな政治を訴えた。
菅原氏は、自民党批判が波及することを警戒し、政党色を抑えた選挙戦を展開。高齢者福祉の充実などを訴えたが、及ばなかった。自民県連幹部は「加計問題など安倍政権への批判が影響した」と話した。
林氏と大久保氏は子育て支援の充実や行財政改革などを訴えたが伸び悩んだ。
自民党は都議選で大敗したほか、5月のさいたま、千葉両市長選、6月の静岡県知事選で不戦敗が続いていた。【本橋敦子】
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https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170724/k00/00m/040/085000c
国政が直撃 敗れた与党陣営、恨み節
毎日新聞2017年7月23日 23時45分(最終更新 7月24日 00時27分)
国政の与野党対決の構図となった仙台市長選。自民、公明両党の県組織や日本のこころが支持する冠婚葬祭会社社長の菅原裕典氏(57)は、民進、共産、社民各党の県組織と自由党が共闘する元民進党衆院議員の郡和子氏(60)に敗れた。
学校法人「加計学園」問題や自民党議員の相次ぐ暴言・失言問題などの影響がもろに出たと言え、菅原氏の陣営からは「タイミングが悪すぎた」との恨み節も漏れた。
「『国政と市長選は関係ない』と説明しても分かってくれない人もいた」。菅原氏の落選が決まった後、自民県連幹部はぼやいた。
政権与党とのパイプは大きな武器となるはずだった。菅原氏は「自公の国会議員の力を借りて、国に要望を伝えられるのは私だけ」と繰り返しアピールしたものの、肝心の自民が前面に出る場面はほとんどなかった。大物国会議員が駆けつけることはほとんどなく、陣営幹部は「街頭での演説は遠慮してもらった」と打ち明けた。
20日夜にあった菅原氏の個人演説会。応援に駆けつけた自民党の山本一太参院議員は「与党国会議員としておわびしたい。自民1強でおごりがあった」と頭を下げた。
一方、郡氏側は民進党の岡田克也元代表ら各党幹部クラスが相次いで仙台入りした。加計学園問題などで安倍政権批判を繰り返し、元自民党県連幹部の村井嘉浩知事と近い菅原氏に対して「お友達政治は許さない」と繰り返した。【川口裕之、本橋敦子】
自民支持層2割、郡氏に…出口調査
毎日新聞社は23日、仙台市長選で、投票した有権者に出口調査を実施した。安倍内閣の支持率が低下し、地方選挙への影響が注目される中、民進、共産両党などが野党共闘で支援する元衆院議員、郡和子氏(60)に自民支持層の2割弱が投票した。学校法人森友学園や加計(かけ)学園、稲田朋美防衛相の資質などの問題が、誰に投票するかに「影響した」という声も複数聞かれた。
郡氏は民進支持層の8割強を固め、支持政党なしと答えた無党派層を半数近く取り込んだ。自民、公明両党県組織が支持する冠婚葬祭会社社長、菅原裕典氏(57)は自民支持層の7割を固めたが、無党派層からの支持は2割強にとどまり浸透できなかった。
自民支持層のある有権者は、安倍内閣の諸問題への対応に疑問は抱きながらも「消極的に自民候補を支持した」と複雑な心境を明かした。加計学園問題などで投票先を決めた有権者は、理由について「安倍内閣を支持できないから」と答えた。
一方、無党派層の2割が元衆院議員の林宙紀氏(39)に投票した。
主な政党支持率は、自民24%▽民進13%▽公明4%▽共産4%--など。無党派層は52%だった。
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