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差別・ヘイトは決して他人事ではない
今回のケースは明らかな差別・ヘイトであるため、ごく一部のTwitterユーザーだけの問題のように感じるかもしれません。ですが、社会学の分野で「Pyramid of Hate」が指摘されているように、犯罪とヘイトと偏見は基本的に地続きです。偏見を放置すればヘイトが生まれ、やがて犯罪やテロも生じることが今や通説となっています。今回のようなケースも決して他人事と捉えるのではなく、もっと身近な問題として捉える必要があります。
引き続き、水原さんの事例で考えてみましょう。国内芸能人第2位のフォロワー数を誇る水原希子さんのInstagramは、度々ネットニュースに「過激な投稿」として取り上げられるような写真も多く、世間一般からは「破天荒(常識破り)」というイメージで受け止められているようです。
ですが、彼女のInstagramを拝見してみると、むしろ「自然体」という印象を強く受けました。実際、2017年09月12日放送の『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)でも、「(Instagramを)日記みたいにやっている」「投稿して言われて後から気づくパターンが多い」と述べていました。おそらくそのような自然体の姿勢が、多くのファンの共感を得ているのだと思われます。
逆に、水原さんの投稿が「破天荒」に映る人は、水原さん側の問題のように感じているのかもしれませんが、むしろそうと感じる自分側の問題だと思うのです。確かに芸能人はファンタジー的要素のある存在ですが、あまりに作り込んだ「人工物的要素」に慣れ過ぎてしまっているために、彼女のある意味“加工しない”投稿をに違和感を覚えるのではないでしょうか?
さらに、SNSの投稿なんて共感できなければスルーすれば良いものに過ぎません。それなのに、自分の感覚に合わないからと言っていちいち負の感情を吐露するのは、多様性を受け入れられていないことの証左です。そして、そのような多様性を受け入れられない土壌こそが、「Pyramid of Hate」において、差別・ヘイトを生み出す土壌であると言えます。
ヘイトは言わずとも、「他人の勝手」に過ぎないことをスルーできず、自ら干渉して、「〇〇はアリ!」「〇〇はナシ!」と他人をジャッジする人は少なくありません。集団を重視して「個」を軽んずる日本文化の良くない部分です。でも、そういう「排除の姿勢」こそが、ヘイトや差別と地続きであることをもっと明確に意識するべきですし、やめるよう心掛けるべきだと思います。差別・ヘイトは決して他人事ではないと思うのです。
経営者はヘイト労働力不買運動をせよ
ヘイト問題に話題を戻しますが、ではどうすれば特定の人種・性別等に対するインターネット上のヘイトを抑止できるのでしょうか? 海外ではヘイトを放置した場合、SNSの事業者に対して罰金を課す国もありますから、ぜひ日本でもそのような政策を取り入れるべきでしょう。
また、個人的には、良識ある経営者たちが集まって、「ヘイト労働力不買運動」を展開することも効果的ではないかと考えています。つまり、ヘイトをする労働者は一切採用しないという強い姿勢を打ち出し、労働者のヘイトが発覚したら場合によっては解雇も辞さない強い態度を示すのです。
もちろんTwitterでヘイト発言をする大半は匿名アカウントですが、アカウントが特定されれば勤務先を解雇になる可能性もあると分かれば、かなりの抑止力になることは間違いないと思うのです。政府の動きが遅い中で、そのような良識ある企業が率先して出てくることを強く望んでいます。 (勝部元気)
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2017年9月8日午後7時30分、松崎進撮影
2017年9月8日午後7時30分、松崎進撮影
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