ヒロの残日録 

日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ

タコの最期は涙なくしては語れないほどに尊い

2019年08月05日 | 日記
  【東洋経済オンラインより抜粋】
 『タコは無脊椎(むせきつい)動物の中では高い知能を持ち、
子育てをする子煩悩な生物としても知られている。
タコの寿命は明らかではないが、1年から数年生きると考えられ
ている。
そして、タコはその一生の最後に、1度だけ繁殖を行う。
タコにとって、繁殖は生涯最後にして最大のイベントなのである。
タコのメスは、岩の隙間などに卵を産みつける。
ほかの海の生き物であれば、これですべてがおしまいである。
しかし、タコのメスにとっては、これから壮絶な子育てが待って
いる。卵が無事にかえるまで、巣穴の中で卵を守り続けるのである。
この間、メスは一切餌を獲ることもなく、片時も離れずに卵を抱き
続けるのである。母ダコは、ときどき卵をなでては、卵についた
ゴミやカビを取り除き、水を吹きかけては卵のまわりの澱(よど)
んだ水を新鮮な水に替える。こうして、卵に愛情を注ぎ続けるので
ある。ふ化まで卵を守りとおす母ダコ、餌を口にしない母ダコは、
次第に体力が衰えてくるが、卵を狙う天敵は、つねに母ダコの隙を
狙っている。また、海の中で隠れ家になる岩場は貴重なので、隠れ
家を求めて巣穴を奪おうとする不届き者もいる。中には、産卵のた
めにほかのタコが巣穴を乗っ取ろうとすることもある。そのたびに、
母親は力を振り絞り、巣穴を守る。次第に衰え、力尽きかけようとも、
卵に危機が迫れば、悠然と立ち向かうのである。
こうして、月日が過ぎてゆく。そして、ついにその日はやってくる。
卵から小さなタコの赤ちゃんたちが生まれてくるのである。母ダコは、
卵膜にやさしく水を吹きかけて、卵を破って子どもたちが外に出るの
を助けるとも言われている。卵を守り続けたメスのタコにもう泳ぐ力
は残っていない。足を動かす力さえもうない。
子どもたちのふ化を見届けると、母ダコは安心したように横たわり、
力尽きて死んでゆくのである。これが、母ダコの最期である。
そしてこれが、母と子の別れの時なのである』


今、母親による育児放棄や子ども虐待が問題になっている。
生きものたちが「命のバトン」をつなぐために、こうして懸命に生き
てる様を学ぶべきだろう。



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