
熊野の山間部にはいくつもの「山の神」の祭壇が大岩のところに祀られています。
それでも山村の人口が減り、山の神を今でも祀っているところはかなり少なくなっています。

2年ほど前に教えていただいたのですが、機会を逃し行くことができませんでした。
今回一度は道が分からず戻ったところで、この付近の山の中を15年ぐらい前に案内していただいた方の家に寄ると、ちょうどいらっしゃったので聞いて教えられた道を何度か迷いながらやっと辿り着きました。

道なき道、なんとなく道を教えられたイメージを頼りに歩き倒木をくぐり抜け現れた姿は、地元の方に聞いた通りとても雰囲気のあるところでした。

上の「御山之神」の文字を彫った石は比較的新しいものでした。
最近まできちんと祀られていたようですが、今は一人の方がみているようです。

道を塞ぐ倒木。

途中にあるきれいな淵。

山の神の手前には製材所の遺構がありました。水を利用したのかな?

山の神の近くにあった木。根本がかなり面白い形になっていました。
たくさんの話を聞けたのですが、ここに残るお話をきちんと残さないと、この村も終わりを迎えます。
今は工事や水害で消えた滝や雨乞いの話、蛇の伝説、何かを見て誰にも話さず7日間も寝込んだ人が潜った淵などの不思議な話や、関西電力が通るまで発電所があったことや杉のお香をつくる大きな水車小屋と、お香作りの工場、製材所と今では無くなってしまったのですが、この場所を教えていただいた方の記憶をたどりながらの場所探しだったので、今の風景とリンクさせるのが大変難しいほど荒れていました。
観光地は、マスクもせずカメラを持って私のいる場所に平気で近づいてくる人などと遭遇したりしたので、撮影場所を聞いたことがあるが行ったことがな場所に切り替えました。
ここは誰にも会わない場所でした。熊野はまだまだそういう場所があるので助かります。
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