雅楽・・・上代から伝わる日本固有の歌舞と、仏教伝来の頃から順次入ってきた古代アジア大陸諸国の音楽と舞が融合してできた歴史の長い芸術・・・というくらいの知識しか持っていないのですが、縁あって講座に参加させていただきました。
国風(くにぶり)の歌舞:神楽・倭舞(やまとまい)・東游(あずまあそび)・久米舞(くめまい)・五節舞(ごせちのまい)など
大陸系の歌舞:唐楽→中国系、勇壮で明るい曲調が多い。左方舞(さほうのまい)ともいう。
高麗楽→朝鮮系、哀調を帯びた曲調が多い。右方舞(うほうのまい)ともいう。
歌物:催馬楽(さいばら)・朗詠
・・・と、ざっくり習ったところでいきなり楽器とご対面です。
くらげびとは雅楽器と聞いて真っ先に思い浮かべるのが笙(しょう)なのですが、その姿は翼を立てた鳳凰をかたどり、音色は天から差し込む光を表すと言われている、なかなか大層な楽器です。具体的には17本の竹を束ねたような形をしており、息を吹いり吸ったりすると中にある15個の金属製リードが震えて音が出る構造になっています。出せる音が決まっているので和音や調律担当です。なぜ竹の本数とリードの本数が合わないのかというと、大陸から伝わってきた舞楽が日本に根付いていく中で、和音として受け入れられにくい音のリードが外され、楽器の形だけが残ったからだと推測されているようです。曲によってはその曲用の音階の笙を別に用意するのだとか。(それが消えたリードの音階かどうかまでは不勉強なので知りません、すみません。)
篳篥(ひちりき)は18㎝ほどの竹筒に蘆舌と呼ばれるリードを差し込んだ縦笛で、主旋律担当です。こちらは地上の音を表すと言われています。同じ指づかいでも責(せめ)と和(ふくら)という息づかいの違いでほぼ1オクターブ音階が変わります。ただこの楽器、国内で最も蘆舌に適した蘆の生育地に高速道路が通ることになっていまして、将来がちょっと心配なところです。他の生育地の蘆では蘆舌に適した硬さやサイズがなかなかなくて使えないそうです。消耗品ですから数が要りますしね。。。かといって万人が使うものでもないので反対運動が全国的に盛り上がるわけでもなく。。。影響、出ないといいんですけどね。。。
話が逸れました。龍笛は天地を行き交う龍の声を表し、主に副旋律担当の竹製横笛です。これも責と和で音階が変わります。
上記3つが雅楽の代表的な管楽器で、回を追うごとに篳篥・龍笛・笙に触らせていただきました。しかも篳篥と龍笛の貸し出し付き。・・・これは練習してこいという意味ですよね、やはり。
お借りした篳篥:左のリード部分が噂の蘆舌
参考:宮内庁HPトップページ→皇室に伝わる文化→雅楽