暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

保存

2022年08月26日 | 古民家
 シトシトとうなだれる萱の先に、雑な庭先が広がり・・・
相手にされない雑草は背丈を超えて・・・垣根の頭の向こうを覗けば・・・
お隣さんとの会話もそぞろに・・・他愛ない話題はゾロゾロと・・・
あちらこちらの軒先で・・・程よい景色になっている・・・。

障子を開けた先に広がる景色・・・
布団の中に転がり・・・スタンと開けられた寝ぼけ眼に差し込む広縁の先・・・
土間にしゃがみこんで・・・かまどの煙が指す真っ暗な天井・・・。
見つめる先のその先には・・・普段は気付かない程よい暮らしが隠れている・・・。

住宅事情が歪んで・・・ひしめき合う町の中には、人工の雑踏がちらほらと・・・
生まれ始めの雑多な文化が生まれて・・・時代を引っ張っては来たけれど・・・
人間味あふれる人情話が、いつの間にか煙に巻かれてしまった・・・。
明治・大正・昭和とザワついた中に・・・伝統も生き残り、広がり続けた文化も影を見せて・・・
古民家の暮らしは・・・轢かれるように、次々と書き換えられてしまい・・・
程よい眺めを愛でる場所も・環境も、手からこぼれてしまったのかも知れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする