暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

手書き

2022年01月06日 | 古民家
 便りが届くと感じるのは・・・ツルツルと流れる文字に、その人を思い浮かべて・・・
変わらぬ関係が、この先も静かに続くと思える時間に感謝出来るから・・・。
数十年も手を交わす事も無い友もいれば・・・毎日でも言葉を交わすあの人もいて・・・
姿カタチからは思い浮かべられない、語るようなその文字からは・・・
暖かな感情が伝わってくるような気がします・・・。

手書きの手紙を書くことも無い時間が過ぎて・・・
手紙が届くのを・・・心待ちにする時間も短くなって・・・
無駄なやり取りの時間が短くなると・・・隙間に残る長い時間がどれほど大切なのか気付かなくなり・・・
さみしい心持の暮らしになってしまいそうで・・・
いつ届くのか解らない・・・返事さえ貰えないかも知れないけれど、届いた時の嬉しさがどれほど豊かなのか・・・


言葉で交わす他愛ない時間も・・・文字にすると一味違って伝わり・・・
手書きにすると、心にも伝わるような気がします・・・。
楽しくて、変化する便りは増えても・・・文字が躍るように語り掛ける感覚は持て無くて・・・
関りや交わす時間は減っても・・・たまにやりくりする手書きのやり取りに、穏やかな時間が持てるような気がします。



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教育

2022年01月05日 | 古民家
 木目も美しい屋久杉の天井板に木曾桧の床板・・・
1尺はある欅の柱材に、青森ヒバの土台・・・
美しい欄間の彫り物に・・・手漉き和紙の障子や、襖の絵柄・・・
日本の伝統的な室来に・・・希少な素材を集めて、伝統の技術で造られた建物は・・・
当時でも、裕福な住まいとして残されて来ました・・・。
多くの住まいは、大切な資源を繰り返し再生して使われて・・・
数世代も長い間・・・住み継がれ、使い続けられて来ました・・・。

水やお米が貴重だった世代は少なくなり・・・争いで無くなった暮らしから豊かになっても・・・
もったいない・・・の暮らしは薄れて、手離れの良い生活が進んでも・・・
物を大切にしなくても良い暮らしが膨らんでい行き・・・
住いも、安売りの野菜みたいに手に入れては・・・頭を悩ませる、そんな暮らしが広がってしまう・・・。

体にも環境にも優しい住処や食材は必要なく・・・手間暇のかからない暮らしが求められて・・・
使い捨てのような食生活に・・・豊かさを感じているみたいで・・・
価値観の基準が・・・ずいぶんと荒れて来ているのかも知れません・・・。
子供の頃からの暮らし方が大切なのと・・・
育つ環境や家族・地域との関わり以外に、住み方への教育も必要なんだと思います。
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乾き

2022年01月04日 | 古民家
 雑木林が遊び場だった・・・。
裏の防風林が住まいと重なって・・・裏山のある暮らしが支えとなっていました・・・。
里山の豊かさは、自然と共存するからこそ成り立つ暮らしです・・・。
人が増えて・・・農作業も野良仕事も出来ない社会では、そんな生活は成り立たず・・・
里山は限界集落になり・・・自然の知恵は失われて行きました・・・。

野山を駆けまわるのが子供の仕事と・・・
そんな悠長な家庭も少なく・・・自然と戯れる遊びも影を薄くなると・・・。
開発されて来た野山に・・・見上げる建物や、見渡す町が生まれて・・・
前に進む暮らしと受け止めながら、変化する森を振り返り・・・
大したものだと自画自賛しながら・・・心はどこか上の空・・・。

共存共栄が一番良いと思っても・・・みんな一緒では飽き足らない考えも生まれて・・・
豊かになりたいとみんなが思っても・・・一番になりたいと手を伸ばす考え方も多くて・・・
廻りを見れば、田畑や森が広がっていた頃に戻りたいと思う気持ちは少ないみたいだけれど・・・
大きくなり過ぎた暮らしに・・・少しだけ嫌気のさす考え方を持つ人もいて・・・
心が乾き・・・本当の意味での豊かさを求めているような気がします。



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踏みしめる

2022年01月03日 | 古民家
 ゴンゴンと、足踏みしながら走る路面電車の不気味な音が・・・
朝もやを迎えながら走る横に連なる、和洋折衷の町並みは・・・
たくさんの文化を手にした、したり顔がほほ笑んでいる・・・。
ガス灯に石畳・・・レンガ造りの建物に、和瓦の民家が挟まれる街並みは・・・
変化を手に入れた・・・時代の流れが踊っている・・・。

人の流れがあれば、そこに商売が生まれて・・・暮らしが造られると、文化が生まれる・・・
物語が生まれ・・・民話が造られて、摩訶不思議な噂まで広まると・・・
興味津々な人達も集まり・・・あしげく人が集まる場所に育つ・・・。

自然の恵みがあるから、暮らしが留まって・・・豊かな土台が造られる・・・
先人が苦労して築いた暮らしの基礎に・・・土台が据えられ、柱となる人が並んでゆく・・・
地域で育つ素材で着飾り、独自の住まいが造られて行く暮らしが・・・伝統文化にまで育ちます・・・。
住み継がれる人が100あれば・・・それぞれに違った暮らしはあって・・・
その100すべてに物語があります・・・。
踏みしめるように歩いて来た多くの暮らし方に・・・託される文化が示されているような気がします。
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愛おしさ

2022年01月02日 | 古民家
 何てことなく見ていた遠くの風景・・・いつの頃からか愛おしく受け止められて・・・
自然が造る芸術がそこかしこにあるのに・・・消えてしまいそうになると手を差し伸べて・・・
無くなってしまえば・・・それも当たり前になる・・・。

汗が熱を奪って・・・なんとなく涼しくなるように、涼しくなるには、熱が生まれる・・・。
風鈴の音色で・・・なんだか涼しくなったように思えるけれど、熱は生まれない・・・。
暮らしのなかにもいろんな知恵があり、地域の文化が生まれて行く・・・。

針金のような枝に雪が積もり・・・白銀の世界が描かれると・・・
町の景色も静かに薄化粧され・・・人の影も声も吸い込まれてしまう・・・。
陽だまりの大切さにありがたさを感じて・・・恨めしく思う夏の日差しに少し感謝も感じ・・・
四季の流れを受け流す日々に・・・あらためて愛おしさを感じたいと思います。


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