花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

寒風の菅生沼で草刈り

2012年01月30日 | ボランティア

菅生大橋の下に集合した草刈り参加者

29日、茨城県自然博物館主催の菅生沼の草刈りに参加して
きました。
本当は、22日に草刈りと野焼きが行われる予定でしたが
悪天候のため中止となり、急遽29日に行われる事になりました。

菅生沼は絶滅危惧種の「タチスミレ」が生育する全国でも数少ない場所です。
(今、知られているのは菅生沼を含む利根川水系と九州の限られた場所のみ)
菅生沼は、コハクチョウの飛来地としても知られていますが、大部分はヨシや
オギなどの生える湿地です。
その中に、タチスミレなどの18種の絶滅危惧種を含む
500種の植物が生育しています。

タチスミレは、湿地のオギやヨシの中に生え、5月から6月にかけて
40センチから50センチに茎を伸ばし、白い可憐なスミレの花をつけます。
花後は、さらにヨシやオギに寄りかかるようにして茎を伸ばし続け
高さが1メートルに達するものもあります。文字通りタチスミレ

昔、オギはかやぶき屋根の材料として使われ、オギ刈りや野焼きも
行われていましたが、最近は茅葺きも無くなり、放置されるようになりました。

湿地のヨシやオギの群落は、放置されると枯れた植物が地面につもり
ヨシやオギ以外の植物が生育できなくなってしまいます。
菅生沼では、そのことが原因でタチスミレが激減していました。

そこで博物館では、2003年から菅生沼の野焼きを、多くの団体や
研究機関の協力で行うようになったのです。
私もつくば環境フォーラムの「筑波山ファンクラブ」の一員として
参加しました。


寒風が吹きすさぶため、野焼きができず、刈り取ったオギを
手で抱えて運ぶ参加者。


一束では面倒とばかり、まとめてシートで運ぶ参加者たち


いつもは野焼きで行う所を、刈り取りと片付けで人手がかかり
いつもの7割から8割程度の広さしかできませんでしたが
今年もこれで、可憐なタチスミレに再会できるでしょう。楽しみです。


2008年5月の観察会で撮影したタチスミレ

追加情報

茨城県自然博物館の第54回企画展「植物たちのSOS」が
3月10日から開かれます。
主に絶滅危惧植物が中心の企画展だそうです。


開催初日の3月10日には、記念シンポジウム
「絶滅危惧植物を救う試み」も開かれます。
これには事前申し込みが必要だそうですから博物館のホーム
ヘージをご覧ください。
博物館のリンクがこのブログの左サイドに有ります。