花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

日立の御岩山から高鈴山へ縦走.・御岩山編

2010年01月10日 | 登山
学習研究社(GAKKEN)から出ている「1000円で行く週末マイカー登山」を見ていたら
最後に久慈男体山が紹介されている。
茨城に住んでいながら、いまだに登っていない山である。
これは行くしかないだろう と言うわけで、1月9日土曜日、土浦北から常磐道に乗った。
が三連休の初日である。渋滞と言うほどではないが、車は多い。

出口の那珂インターに近づいたら、左車線が混んでいる。
そうでなくとも118号線は、袋田の滝に行く車が多い。
特に袋田の滝に新しいエレベーター付きの観瀑台が出来てから、観光客が増えたという。
とっさに気が変わった。
男体山は平日に行けば良いのだ、今日は別な山にしよう。
男体山以外の資料と地図を持っていないので、多少の経験が有る御岩山に行くことにした。
御岩山には以前、イワウチワの花を撮りに登った経験が有る。


(その時の写真、ピークが過ぎて花柄が落ちている物があった)

そのまま常磐道を突っ走って、日立中央を目指した。
日立中央は長いトンネルを抜けた先に有る。
しかも100円の有料道路のおまけ付きで、料金は1100円であった。

有料道路の出口で県道36号線を右に行く。
日立の工場が並ぶ山間部を登っていくと、道路のセンターラインに杉の巨木が立っている。


しかもしめ縄まで張ってある。
じゃまな物は何でも切ってしまう風潮の中で
何のいわれの有る杉なのか判らないが、粋なはからいをしたものである。

本山トンネルを抜けると、すぐ左に高鈴山や神峰山に登る駐車場が有り、脇の林道が登山口である。
私の目指す御岩山は、もう少し先で、きららの里を右に見ながらカーブを曲がると
正面の斜面に御岩神社と大書した看板が見えてくる。

その少し先のカーブの所に御岩神社に行く道が有る。
看板と矢印があるのでそこから左折して入り、丁字路ですぐまた左折する。
左折するとすぐ神社と駐車場が有る。

 (右が駐車場で左が神社、神社の鳥居をくぐって御岩山に登る。)

御岩山で杉の伐採をやっているらしく、杉の丸太が積み上げてあり、トラックが駐車場に止まっていた。
駐車場にはトイレも有り、登山客以外の参拝者も来るので、車はきちんと駐めたい。
9時12分、準備を整えて出発。
社務所の脇の神社にお参りして、御岩神社のいわれを書いた紙がおいてあったのでいただいて行く。




境内に入ると茨城県の天然記念物に指定された「三本杉」が有り、その説明版も有る。





立派な山門をくぐり、参拝道を左に見ながら右の道を進む。
本来は左の参拝道が登山道らしいが、前回も右を歩いたので、今回もこちらの道にした。
まさかその先で地獄が待っていようとは。


杉の伐採のためにキャタピラの車が走った跡が有り、登山道は前回とすっかり様変わりしていた。


ずんずん登っていくと、丁字路の様に左右に分岐する、その左の入り口に「裏参道」の
案内標柱が立っている。
そちらの坂道を登ると、上り詰めた角に二股の分岐があり、右の道に入ると小さい石の祠が祭って有る。

二股分岐


石の祠
こちらを登っても行ける様だが、前回同様左の道を行く。
下からは伐採工事の音がガダガタと響いてくる。
木の間から時々見えているのはきららの里であろうか。

ジグザクにあがっていく道の角の所に、御岩神社の標柱が出ている。
左の道に入って下ると、賀毗礼神宮の案内板が立っていた。

あれ御岩神社の標柱だったのに、賀毗礼神宮ってどういう事?

沢すじに階段を築き、右の一段高い場所に立派なお社が建っていた。

賀毗礼神宮本殿
この賀毗礼の名前は、常陸風土記の久慈の郡(こおり)の章に出ていて、歴史の古さを
物語っている。
講談社刊の常陸風土記の文庫本には、次のように出ている。
「東の大きな山を賀毗礼(がびれ)の高峰(たかみね)といふ。即ち、天つ神在り。
名を立速男命(たちはやおのみこと)いふ。」
口語訳によれば、元々は麓の松沢の松の木の八俣になっている所に住んでいたが
付近の住民が失礼な事をすると、非常に厳しいたたりを下すので、困り果てた住民が
朝廷にたたりを払ってくれるように願い出た。
そこで朝廷は、片岡の大連(おおむらじ)を使わして、この神を敬い祭らせて、「この地は
近くに百姓の家が有って朝夕に汚くけがらわしい所です。当然ながらあなたのお出でになるような
所では有りません。どうかここを避けて高い山の清浄な所にお移り下さい。」
と申し上げた。
そこで神は、その願いを聞き入れて、賀毗礼の峰にお上りになられたのである。と
ただ風土記に書かれた「賀毗礼の高峰」とは、神峰山をさしていたらしい。

それ程の歴史を秘めた山である。
階段を上ってお参りし、静に安全を願ったのである。

元の道に戻り、御岩山の頂きを目指す。
その先は、今までの道とは違い、木の根が階段のようになっている急登の連続で


途中で向陽台への分岐を見送って、さらに登ってゆくと、行く手を巨大な岩に阻まれる。

この大岩から右に迂回する踏み跡が有ったので、少し下って回り込んでいく。
左は巨岩が並び立ち、わずかに残る獣道のような踏み跡が急斜面に続いていた。

一歩間違えば、どこまでも落ちそうな崖である。
立木に掴まり慎重にすすむ。
以下写真をご覧下さい。まるで修行する行者さんが登る行者道のような難所で
落ち葉で踏み跡さえ不明な所が有ります。













道に迷ったかなと不安に成りかかったとき、トラロープの張ってある場所についた。
ここから左に急斜面を直登するコースであった。


廻りを見ると、イワウチワの葉っぱのようなものがびっしりと生えている。
花が咲いたらここに来たいなーなどと考えていたら

いきなり目の前に、岩の壁が立ちはだかった。
廻りを見ても、迂回路らしいものが見あたらない。
こんなのありかよ、クサリもハシゴも無い。
自慢じゃ無いが私は高所恐怖症である(自慢することか(笑))

だが今更引き返すのも嫌である。

続く







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