ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

「アフタヌーンデライト」

2018年03月18日 23時07分01秒 | owarai
すみずみまで、神の宿る島だった。
ランチのあと部屋に戻ると、わたし
たちはだっぷりと時間をかけて愛し
合い―――
わたしたちはそれを「アフタヌーン
デライト」と呼んだ―――、

同じだけたっぷりと午唾をむさぼ
った。昼寝から目覚めたら、夕食
を食べに外に出かけて、その足で、
ガムランを聴きに行ったりした。

年末から年始にかけての六日間。
旅が終われば、わたしは東京へ、
彼はシンガポールへ。空港で
別れがふたりを待っていた。

「寂しいな、あしたは離れ離れ
になっちゃうんだね。今はこん
なに近くにいるのに、あしたの
今頃はもう、手を伸ばしても、
届かないところにいるなんて」
彼は心の底から、寂しがって
いるように見えた。

「雫ちゃんも、寂しい?」
可愛い人、裸の彼の胸に耳を
当て、心臓の鼓動を聞きながら、
わたしは思っていた。

あなたは、とても可愛い。愛して
も愛しても、愛しても、愛し足り
ないくらい、愛してる。もう一度、
いいえ、何度でも、わたしはあな
たを抱いてあげたい。抱き合った
まま、つながったまま、眠りだい、
それくらい、好き。

「寂しいよ」
っと、言った。

でも、本当は、ちっとも寂しく
なんてなかった。
初めから、覚悟を決めて、飛んで
きたのだ。

この旅が終われば、この恋も終わる。
終わりにしなくてはならい。これ
は遊びの恋。真剣な、火遊び。

それをいとおしみ、味わい尽くす
権利は、大人だけにある。
わたしは、離婚歴も不倫歴もある
二十九歳。自分を、大人の女だと
思い込んでいた。

分別も常識もある大人の女。

信念を持っていた。大人の恋とは、
ただ楽しむためにあり、そこに
決して、生活とか将来とかを持ち
込んではならないのだと。

「思い出すために」

2018年03月18日 12時48分56秒 | owarai

青麦畑でかわした
はじめてのくちづけを
忘れてしまいたい

パスポートにはさんでおいた
四葉のクローバー 希望の旅を
忘れてしまいたい

アムステルダムのホテル
カーテンからさしこむ 朝の光を
忘れてしまいたい

はじめての愛だったから
あなたのことを
忘れてしまいたい

みんなまとめて
今すぐ
思い出すために

YouTube

hubert laws - what a night

https://www.youtube.com/watch?v=4giQOszEy-4


「答えなんてないのに  」  

2018年03月18日 11時20分43秒 | owarai

静寂が辺りを包み
ひとあしごとに私は
明日に近づき

心は昨日に連れもどされる
まちがった角を曲がり、
まちいがった選択をしたの
だろうか

答えなんてないのに
後悔してしまいそうになる

踏み出したこの道が
どこへ続くか
今は
深く考えないようにして
深緑のベールを薄く
一枚ずつ剥ぐように
深緑の夕暮れの奥へと
分け入る

まだ一度も起こしたことの
ない行動を


この指先に。

2018年03月18日 09時09分16秒 | owarai

どうして?
どうして、喧嘩なんか、しちゃった
んだろう?
こんなにも好きで、こんなにも
会いたくて、三ヶ月ぶりに会えて、あ
んなにも嬉しかったはずなのに。

きっかけは、些細なことだった。
彼はきょうの午後、どこにも出かけた
くないと言い、私は町まで出かけて
食事をしたり、買い物をしたり、散歩
をしたり、夕方にはレゲエのコンサート
にも行きたいと主張し、出かけるか出
かけないか、について話し合っている
うちに、いつのまにか口喧嘩になり、

気がついたら「愛しているのかいないの
かを巡る、大きな口論に発展してしまっ
ていたのだった。

愛しているに決まっているのに、海よ
りも深く空よりも果てしなく、愛し
合っているという自信があるのに、

まったく、なんてことだろう。情けな
い。実にふがいない恋人たちだ。
貴重な時間をムダにしている。休暇は
一週間しかなくて、休暇の終わりには
また遠く、離れ離れになってしまう
のに。

わかっているのに、どちらも素直に
「ごめん」が言えないまま、彼は
部屋に閉じこもり、私は扉をさざ
とばーんと音をさせて閉め、こう
してバーにやって来て、ちっとも
酔えないお酒を飲んでいる。

なんとかしなきゃ、仲直りしな
きゃ。
このまま、大切な時間が、刻一刻と
失われていくのを、指をくわえて
見ているだけでいいの?いけない、
いけないよ、絶対にいけない。

竜巻のようにま巻き上がってくる
思いを抑え込んで、私は注文した。

「お願いします。うんと強いのを」
と頼んでみた。
「さ、できたよ。どうぞ、召し上がれ」
数分後、目の前に差し出されたのは、
いちごとミントの小枝で飾られた、
メキシカンガラスのゴブレット。

「可愛い!」
思わず、感嘆のため息がもれた。
ひと口飲んだあと、そのため息は
甘くなった。甘酸っぱくてせつない、
昔懐かしい味を彷彿させている。

ああ、この味は、いつかどこかで
味わった、何かの味にそっくりだ。
でも、なんの味なのか、うまく思い
出せない。

ストローで少しずつ、少しずつ、
吸い上げながら、味わってみる。
頭の芯が溶け出して、気持ちの編み
目がほどけてゆくのがわかる。

楽園は、近い。わたしのすぐそばに
ある。この胸のなかにある。この皮
膚の表面に宿っている。彼に触れた
い。触れられたいと願っている。

この指先に。
そこまで思った時、思い出した。
よみがえった。このカクテルの
味は、彼と交わした口づけの味だ。

パリのアパルトマンで、籠いっぱい
に盛られた摘みたての苺―――
彼がスケッチをするための果物だ
った―――を、ひとつぶ、お互い
に食べさせ合った午後。
シーツに残っていた切ない香り。

――苺みたいに甘い思い出を、たく
さんつくっておかなきゃ。あとで使
うために。

――使うの?どうやって?

――喧嘩なんかした時にね、ひとつ
ぶ取り出して口に含めば、仲直り
できるだろう?

――喧嘩なんか、しないもん。

――するよ。どんなに晴れた楽園
にも、雨は降ってくるからね。

 

YouTube

多部未華子 悲しくてやりきれない

https://www.youtube.com/watch?v=VftX7xhae8I


放念を×2、「母がのこした”壮絶な愛”」

2018年03月18日 08時05分51秒 | owarai
私は幼い頃、母と別れたのですが、
作家の西村滋さんは、母の恩に
ついてこう語っている。

「優しかった母が結核に罹って
隔離された。大人たちは近寄ら
ないようにと言うが、幼時のこ
とで母恋しさに近寄ると、

母は私を見るなりに罵声を浴び
せ、コップやお盆などを手当り
次第にぶつけてくる。

顔は青く、髪を振り乱して荒れ
狂う姿は、鬼としか思えず、次第
に母を憎悪するようになった。

いつか、ぐれて少年院にいた。
そのときに、昔の家政婦さんが
来て告げた。

『私はもっとあの子に憎まれたい。
私はあと一年か二年の命です。
あの子は幼くして母を失うのです。

幼い子が母と別れて悲しがるのは
優しく愛された記憶があるからで、
憎らしい母親なら死んでも悲しま
ないでしょう。

夫もまだ若いから、新しいお母さん
が来るでしょう。

その方に可愛がってもらうためにも、
死んだ母親なんか憎ませておくほ
うが、あの子のためです』と。

それを聞いて、私は立ち直ることが
できた」
なんと壮絶な母の愛ではありませ
んか。

お金とか土地とか家などは、残して
かえってためになりません。

自分のつらさを隠して無償の慈しみと
愛の強さを、心から痛感しました。

夜明け

2018年03月18日 00時00分05秒 | owarai
寒さ物語るこの夕日 まるで永遠に
終わりを告げぬように
あたたかい未知の歌 聞きたくて

いつもの場所にかけよったけれど 
あなたはいない

どうして人は悲しい景色を眺める
でしょう

こんなにも晴れているのに・・・
雲がわたしを染めていく

あなたを待った 夜明け
時のたつのも しばし忘れて

不機嫌なため息ついたけれど切な
さかみしめてまた息を吸う

何かを悟った 夜明け
涙流すのも しばし忘れて
ぶっきらぼう所は変わってないのね

心のアルバムめくって 今日が別れ
の日と知っていても
あなたは来ない 朝日は瞳(め)にじむ

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