余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

シックス

2022-05-19 22:48:39 | 天秤の詩
離れた肉体と裏腹に
心はあなたに吸い寄せられる
明るい色彩なの?バラ色は
まるでここは空気の固まり
つなげた手は音がなっていた
けれど今はきこえない
たくしあげる糸は頼りないし
結局どことつながっているのかも
全然わからない
今日隣に座っていた子は
ノートにびっしり文章を書いていた
一文字一文字拾い上げるよう
黙読していた
確かにそれは文章だった
日記なのか小説なのか
または詩なのか
記憶はむちゃくちゃ鼓動をふるわせる
動揺の一歩先へ
つんとすました世界があり
優しさに包まれた世界があり
世界は砂で出来ている
砂に埋もれて眠くなる
無垢に流した喘ぎは
自身の周りに柵をつくる
バベルの塔か
タナトス、ヒュプノス、レーテー、
あの人を掬い上げなくちゃ
あの日、あの時の忘却の
目覚めのキスを救わなくては
小声で友よ

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