老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

「京都・高瀬川~角倉了以・素庵の遺産~」(石田孝喜著)

2008年10月05日 | 江戸時代の京都

京都・木屋町通り沿いに流れる、「高瀬川」の名は、森鴎外の同名の歴史小説によって、よく知られている。

春には、この高瀬川沿いの、桜の木々が咲き乱れ、二条近くにある、「一の舟入」の辺りから、五条まで、えんえんと、桜の小道、とでも呼ぶべき、景観を創り出す。

高瀬川に覆いかぶさるようにして、まさに、春爛漫といった感じで、咲く桜の花々、キラキラと春陽に輝く川面、桜の花弁を運ぶ川の流れ、等々、

たとえば、もし、禅僧か何かに、「生きている歓び」、というものを視覚的に表現したら? とでも、問われたなら、

躊躇なく、桜が満開に咲く高瀬川の春の光景を、指差すのではないか、と思ってしまう位、春の高瀬川沿いは、私の好きな場所の1つだ。

ところで、この高瀬川については、「角倉了以・素庵父子によって人工的に創られた運河」といった程度の知識しかなく、以前から、気になっていた。

  • 高瀬舟の運行というのは実際どのように行われていたのだろう?
  • いつ頃まで、高瀬舟の運行というのは、行われていたのだろう?
  • 物資の運搬に、何故、鴨川などの自然の川が使われず、人工運河などという手間と資本の要る途が選ばれたのだろう?
  • 高瀬舟が運行していた当時の川深は、どれ位あったのだろう?
  • 角倉了以や、その子の素庵というのは、どういう人々だったのだろう?

等々、高瀬川については、疑問がいくらでも湧いてくる。

京都 高瀬川―角倉了以・素庵の遺産 京都 高瀬川―角倉了以・素庵の遺産
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2005-08

石田孝喜さんという方の書かれた、「京都・高瀬川~角倉了以・素庵の遺産~」は、これら誰しもが抱く、高瀬川に対する素朴な疑問に、1つ1つ答えてくれる、高瀬川の百科事典のような本だ。

石田さんが、本書を執筆した当時には、未だ生存されていた、高瀬舟が運行されていた当時の実際を知る、古老の方からの、聞き取り調査の内容も載っており、

京都の歴史ファンには、欠かせない一冊と言える。

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