多くの神話は、
先ずはじめに・・
世界のはじまりについて説明しています。
バビロニアでは、
原初の混沌とした霧の中で
淡水の神 アブスー と、
塩水の女神 ティアマトが交わり、
多くの神々が誕生します。
これは、チグリス・ユーフラテス川の
河口付近のデルタ地帯を思い起こさせる情景です。
北欧 エッダ神話では、
霧に包まれた巨大な裂け目の底で、
原初の牛が水をなめて飢えをしのいでいると・・
水のなかから最初の神 ブーリ が出現します。
これもまた、
氷雪に閉ざされた極寒の地をイメージさせるものです。
このように創世神話の多くは、
其々の民族の特質や世界観を
色濃く反映しているのですが、
その一方で、
神話のなかには似かよったモチーフもあり、
いくつかの典型的なパターンが随所に見られます。