「時間」という概念に対する我々人間の認識には、
相矛盾する二面性があります。
それは、
歴史や年代記に記されている時間(クロノス)は、
世界全体に一様に流れ、
例えば、
砂時計のように過去から未来へと
直線的に進んでいきます。
それに対して、
「昼と夜」 「月の満ち欠け」 「春夏秋冬」
といった自然界のリズムは、
日時計のように延々と環境運動を繰り返しています。
この永劫回帰する運動(カイロス)は、
神話や儀礼などに普遍的に現われる心理的時間で、
人の一生と同じく「 誕生 → 成長 → 老化 → 死滅 」 を
一つのサイクルとして、
次のサイクルと結合することによって
「 死滅 → 再生 」という円環構造を形成している。
現代では時間といえば
常識的にクロノスを指しますが、
自然界を住処とした太古の人々にとっては、
カイロス時間こそが普遍的な時間の概念だったのでしょうね。
人々は太陽の出没によって
「一日」というカイロス周期を知り、
月の満ち欠けによって「一月」という周期を知りました。
天空を動く太陽と月は、
回帰する時間の単位を知らせてくれる、
きわめて神聖な存在だったんでしょうなぁ~
* 先日「哲学の道」の桜並木の散歩の影響かも??