一例の
フィンランドの抒情詩カレワラのように、
卵から世界が生まれたとする神話も多くあります。
ギリシャ神話や
マオリ神話などでは、
原初の混沌としたなかで天の神と地の神が生まれ、
その交わりから世界が生み出されたとされています。
先にあげたバビロニア神話や
日本でのイザナギ、イザナミによる、
国産みの神話もまた、
同じような話だと言えるのでは。
中国では、
原初の混沌が卵の形となって
盤古という巨人が生まれます。
盤古の成長とともに天と地は分離していき、
やがて盤古が死ぬと、
左の目は太陽に、
右の目は月に、
手足と身体は山々に、
流れた血は河川に、
歯や骨は岩石と鉱物に、
といったように、
盤古の死体から世界が出来上がったとされています。
何かを造るときには
当然その材料が必要になりますが、
中国の人々が天地創造の材料として考え出したのは、
巨人の死体だったというわけです。
また、
創造神が、
対立する悪神の死体を材料にして
天地を造るという話も数多く伝えられています。