京都の歳時記

東福寺、伏見稲荷大社等の神社仏閣と祇園の舞妓、芸妓を中心に黒柴の小ざさが京都の美しい四季を紹介する 京都の歳時記

■『冬の東福寺』♪♪♪

2007-02-19 21:39:23 | 東福寺

《東福寺(塔頭)-龍吟庵(特別公開)》

次回と言いながら随分遅くなりました。

今日紹介するのは、東福寺でも東の端にある

「龍吟庵」ここも3月18日までの特別公開のお寺

です。     まさに、重森ワールドです。…

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ここは「大徳寺」とは異なり、特別公開でも写真撮影可

です。品のいいおばさんが丁寧に説明してくれました。

以下「重森三玲」の世界を充分満喫して下さい。

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方丈正面(南庭)
一本一草をも用
いなく「無」の世界
奥の竹塀が次の
ドラマを予感させ
ます。

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この竹塀の大胆
なデザイン。
稲妻を現していま
す。

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これぞ重森ワールド
「龍が海中から黒雲
得て昇天する姿を
石組によって現して
います。」
中央3つの石の手前
が龍の頭。
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黒砂と白砂で雲紋を
現している。右端の
石は雲間に見え隠れ
する龍の胴体で、時
計と反対回りである。

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黒砂と白砂の大胆な
使い分け。

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奥の竹垣は稲妻
を表象している。



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石と白砂と黒砂
このコントラスト
すばらしい。

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竹塀で稲妻を現す
なんて!

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次は東庭これまた全く別の世界
今までの西庭は「龍吟庵」の名前
のごとく、昇天」する龍を現し、
次の東庭は開山国師の逸話を
もとに…。

P1010236 国師幼少の頃、
熱病にかかって
山中に捨てられ
たとき、二頭の
犬が国師の身
を狼の襲撃から
守ったという故事
から…


真中の石が国師
その両隣の二石
が守った犬一番外の三石(両端)は狼。
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真中の横たわった石
は国師、その両隣の
石は犬、その奥は狼




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右端三石は狼
下地は赤砂
京都・鞍馬の
赤石を細かく
砕いて使って
いる。

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山に捨てられた
稲荷山を竹垣で
現している。
山と雲
なんとすばらしい!

方丈を囲んで東西南の三庭からなり、いずれも

「重森三玲」氏の作庭である。

彼の庭は非常に解りやすく私のような素人にも

作庭の意図が伝わってくる。

そして、必ず、お寺の「名前」「謂れ」「故事」を

モチーフにしているケースが多いような気がし

ます。

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入り口の片隅で
面白いものを見
つけました。
屋根の鬼瓦を
おいてありました。

そして、最後に「龍吟庵」に入るところにある

木橋 「堰月橋」である。

稲荷山から流れる三ノ橋川にかかる橋で

一番上流側である。渓谷美にとけあう様相で

中流の「通天橋」、下流の「臥雲橋」とつなが

って行く。

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「堰月橋」
遠景

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「堰月橋」
中景

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柱がゆるい曲線
であることが解り
ますか。
美しいですね。

たしかに、特別公開するだけのものがあります。

「東福寺」は秋の紅葉で人気がありますが、

私は「冬の東福寺」が好きです。

その訳は、人の多さかもしれませんが、

「もてなしの心」を感じることができる

からではないでしょうか。