《東福寺 方丈庭園-「八相庭」》
今まで多くの作庭家「重森三玲」氏の庭を観てきましたが、
私の一番好きな「重森ワールドの庭」は前回もご紹介しま
したが、「八相庭」です。
好きな訳は 「シンプル さ そして 鎌倉時代の質実剛健な
風格を基本とし、現代芸術の抽象的構成をとりいれた
モダン さ 」である。そして現代風潮にマッチした廃物利用
の「環境へのやさしさ」である。
上の「小市松」は敷石と苔の市松模様であるが、モンドリアン
のデザインに似たところがありませんか。そして「敷石」は
境内で不要になった敷石を利用したものです。
以下に東福寺方丈庭園を紹介します。
「方丈南庭」(前庭)
四仙島と八海 五山
豪健な配石と荒海
の砂紋左から「瀛洲」「蓬莱」
「壷梁」の四仙島を
現す。『方丈南庭』「壷梁(こりょう)」
の四仙島
『方丈南庭』「方丈」の四仙島
『方丈南庭』「井田市松」の
『方丈西庭』
さつきの刈りこみ
と砂地が大きく
市松模様
四季の色彩的
効果が意図
「小市松」の
『方丈北庭』
敷石と苔の
市松模様
奥の人影は
「通天台」「敷石」と苔の
市松模様
なんとモダン!
敷石の廃物
利用「北斗七星」の
『方丈東庭』
中央から右側に
伸びる生垣は
天の川を現す。
七つの柱石も
廃物利用。
「北斗七星」はなぜだか解りませんが、この七つの柱石 東司を改築した時の余材を利用。
この精神すばらしいですね。
以上で方丈の四周に庭園を配し、「蓬莱」
「瀛洲」「壷梁」「方丈」の四仙島と「八海」
「五山」「井田市松」「北斗七星」の八相の
表現を八相成道に因み「八相の庭」と命名
される。
「通天台」から観た
「通天橋」 柱の間
に下流側の「臥雲橋」
が小さく見えるが解り
ますかね。東福寺は「紅葉の通天」で歌に読まれるほど
有名ですが、秋の紅葉のシーズンには人人人
人人人…で足の踏み場もない状況の人出です。
この通天橋も黒山の人だかりです。
こんなわけで『冬の東福寺』はお薦めです。
『重森ワールド』もずいぶん観てきましたが、今までの中では
ここ「東福寺 方丈庭園-八相の庭」が一番すきです。
これから、「光明院」「芬陀院」もありますが、どうですかね?