《東福寺(塔頭)-龍吟庵(特別公開)》
次回と言いながら随分遅くなりました。
今日紹介するのは、東福寺でも東の端にある
「龍吟庵」ここも3月18日までの特別公開のお寺
です。 まさに、重森ワールドです。…
ここは「大徳寺」とは異なり、特別公開でも写真撮影可
です。品のいいおばさんが丁寧に説明してくれました。
以下「重森三玲」の世界を充分満喫して下さい。
方丈正面(南庭)
一本一草をも用
いなく「無」の世界
奥の竹塀が次の
ドラマを予感させ
ます。
この竹塀の大胆
なデザイン。
稲妻を現していま
す。これぞ重森ワールド
「龍が海中から黒雲
得て昇天する姿を
石組によって現して
います。」
中央3つの石の手前
が龍の頭。
黒砂と白砂で雲紋を
現している。右端の
石は雲間に見え隠れ
する龍の胴体で、時
計と反対回りである。黒砂と白砂の大胆な
使い分け。奥の竹垣は稲妻
を表象している。石と白砂と黒砂
このコントラスト
すばらしい。竹塀で稲妻を現す
なんて!次は東庭これまた全く別の世界
今までの西庭は「龍吟庵」の名前
のごとく、昇天」する龍を現し、
次の東庭は開山国師の逸話を
もとに…。国師幼少の頃、
熱病にかかって
山中に捨てられ
たとき、二頭の
犬が国師の身
を狼の襲撃から
守ったという故事
から…
真中の石が国師
その両隣の二石
が守った犬一番外の三石(両端)は狼。
右端三石は狼
下地は赤砂
京都・鞍馬の
赤石を細かく
砕いて使って
いる。山に捨てられた
稲荷山を竹垣で
現している。
山と雲
なんとすばらしい!方丈を囲んで東西南の三庭からなり、いずれも
「重森三玲」氏の作庭である。
彼の庭は非常に解りやすく私のような素人にも
作庭の意図が伝わってくる。
そして、必ず、お寺の「名前」「謂れ」「故事」を
モチーフにしているケースが多いような気がし
ます。
入り口の片隅で
面白いものを見
つけました。
屋根の鬼瓦を
おいてありました。そして、最後に「龍吟庵」に入るところにある
木橋 「堰月橋」である。
稲荷山から流れる三ノ橋川にかかる橋で
一番上流側である。渓谷美にとけあう様相で
中流の「通天橋」、下流の「臥雲橋」とつなが
って行く。
「堰月橋」
遠景「堰月橋」
中景柱がゆるい曲線
であることが解り
ますか。
美しいですね。たしかに、特別公開するだけのものがあります。
「東福寺」は秋の紅葉で人気がありますが、
私は「冬の東福寺」が好きです。
その訳は、人の多さかもしれませんが、
「もてなしの心」を感じることができる
からではないでしょうか。