彷徨う普代村民

普代村の一村民、
彷徨う村からの貧民の呻き声

資源管理を利用した利得か?

2023年10月04日 | Weblog

  9月の定例会で「水産業の展望」として一般質問させて頂きました。

世界の先進国では漁業は成長産業であるのに、日本では漁獲が右肩下がりに衰退していること。

その原因が乱獲によって、魚の資源管理が日本は遅れてきたことなどです。

日本は資源管理が始まったばかりなので、資源が回復するまで漁業者への支援などで漁師を減らさない対策も打たないと、魚がいるのに水揚げできないことになります。

外部から企業等が入ってきても、食の安全保障にはつながるが、普代の住民の経済保障、普代村経済にはつながらない。

水産業の担い手として村外から募集して漁師として移住した若者が、不漁のため漁師をやめている人もいる。

村単独とか岩手県のみでどうこうなる問題ではありません。

 

ただ、現場で窮状を知る一つの村、一つの県が政府に声を届けなければ国は動かないし、彼らには実態が分からない。

他町村や他県と連携して政府に要望して欲しいと村長にお願いしました。

 

自治体や関係団体(漁協)が動かなければ事が進みません。

自分自身も機会を見つけて、県や国の議員の方に要望していくように努めます。

 

 今でもよく覚えているのが、元衆議院議員の畑浩二さんが言っていたことです。

大震災の後、三陸沿岸道路の整備を国交省に掛け合った時、「東北方面(岩手?)からは今まで道路整備の要望があまり無かったので十分整備されているものと思っていました。」

と言われたと聞きました。

いかに官僚が現状を把握していないのかが分かります。だから、現地から当事者の声が必要です。

そういう事なんですね。

 

 そしてこんなショックなニュースがありました。

Yahooニュースからです。

『2023年8月31日、水産庁は24年度予算の概算要求を発表した。デジタル庁計上分を含めると2587億円と、23年度の1919億円から大幅な増額である。水産予算は、18年度までは前年度補正を含めおよそ2300~2400億円で推移していたが、19年度には前年度補正含め約3000億円、22年度には3200億円と大幅に膨張している。』

ここまでは、予算が増えて喜ばしい限りの内容です。

 

 『予算が19年度から一気に増額されたのは、その前年に国会を通過した漁業法の改正に伴って実施されることとなった水産改革がきっかけになっている。』

水産改革に舵を切った事もまた喜ばしい事です。

 

『要因の一つは、資源管理の失敗と「取り過ぎ」にある。

政府も遅ればせながらようやく改革に乗り出し、グローバルスタンダードとなっている「最大持続生産量(MSY)」という考え方に基づく科学的資源管理枠組みを本格的に導入することが目指された。

水産改革を確かなものにするため、予算が大幅アップされたのだ。』

資源管理に目覚めて必要であると認識して、予算が増えたのでしょう。

ところがです、

 

『ところが、18年度に「資源調査の充実による資源管理の高度化」という項目に計上された予算は46億円であったところ、23年に「資源調査・評価の充実」の名目で計上された予算は68億円と、その伸びは20億円程度に過ぎない。水産予算全体の比率で言うと、この予算項目が占める割合は僅か2%である。』

なんで? どうしてこんなショボい予算なのでしょう?

 

『では何がそんなに水産予算の中で増額させたのか。非常に目立つものの一つが漁港整備等に充当される公共予算である。』

 

そういうことですか。

「資源管理」という大義名分のもと、水産改革と称して資源ではなく建物のほうに予算を利用したということでしょうか?

政官界の連携プレーの中でしょうが、 漁家の窮状は問題としないプレーです。

普代も今度「新荷捌き所施設」通称魚市場が10億6千万で整備される。起工式が10月12日に予定されています。

普代の建物一つで10億なのに、水産資源管理に予算が20億しか伸びない。そのしょぼさがわかるというものです。異常です。

『水産予算全体に占める割合も35%とずば抜けて大きい。来年度概算要求でも、公共予算の中で最も額の占める割合が高い「水産基盤整備事業」は、さらに20%の増額要求がされている。』

 毎年ある、岩手県漁港漁村協会の漁港検診は自分にはよくわからない儀式なのだが。

 

『冒頭にも述べたが、水産予算の大幅な増額は、水産改革に対する一種の「見返り」である。残念ながら、資源管理は遅々として進んでいない。資源管理に振り分けられる予算もわずかである。  』

資源管理という行為は、その過程で利を得る事ができない。

荷捌き施設のようなものは、いろんな組織や企業や天下り団体が利益に預かれる。

そんな図式が見えます。

どこかで誰かが、国民を食い物にしているような気がしてならない。

『こうしているうちにも、漁獲量も漁業者数も、毎年過去最低を記録し続けている。このままでは、漁業者もほとんどおらず係留される船に乏しい漁港だけが残りはしないか。まさに「国破れても漁港あり」である。

 国連持続可能な開発目標(SDGs)では、漁獲を効果的に規制し、乱獲を止め、科学的な管理計画を実施すること、過剰漁獲能力や乱獲につながる漁業補助金を禁止することが謳われている。また、昨年採択された世界貿易機関(WTO)漁業補助金協定では、乱獲された資源に関する漁獲に対する補助金を禁止することが求められている。効果的な資源管理措置を伴わず、漁獲能力のみを拡大させる漁港整備とは趣旨として相いれない。』

WTO協定への違反行為とも取れる。

捌く物が先か、捌く場所が先か?ということでしょうか。

どっちが先でも、漁業を守ることが優先されればいいのですが。

昔のように、普通に魚食いたい。

 


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