平成30年9月28日 町村議会議員シンポジウム(盛岡 自治会館)で発表した原稿です。
面白くもない内容ですが、住民との意見交換会の経緯やその状況が分かります。
「住民懇談会・議会報告会を考える」
~民意を反映させる住民懇談会の在り方~
発表に入る前にご了解いただきたいのですが、成功しましたという発表だといいんですが・・・
普代村議会の中上一登です。よろしく願いいたします。
さっそく発表させて頂きます。
普代村は、人口2742人(8月末)の漁業を主体とした県内でもっとも小さな自治体です。
生活圏は久慈広域で、三陸沿岸南隣に田野畑村、北隣に野田村・久慈市が位置します。
2011年の東日本大震災では普代水門に守られ、民家への被災がなかった村としてメディアにもたびたび取り上げられております。
さて、シンポジウムの目的にあります、「住民の意見・提言を反映し、議会における政策提言をどのように実現していくか」ということですが、これは人口減少社会の中で多様化するニーズへ応える「住民懇談会」が必要であるということだと思います。
まず、普代村議会の状況を申し上げます。
普代村議会は2年前に1名の欠員が出て、現在9名で活動しています。
8月に議員のなり手がないことが岩手日報に大きく報道されました。
前回2015年の選挙は無投票選挙が全体の21%だったと載っていましたが、
普代村も無投票選挙でした。これを受けて、議員定数が多いのではないかとの住民の声も聞かれます。
しかし、民意の反映や住民懇談会など活発な議会活動には、ある程度の議員定数が必要であるこというのは皆様も感じていると思います。
普代村議会では、これまでに「村民と議会との意見交換会」という形で、
(2013)平成25年2月に初めて実施しております。
2回目を翌年の平成26年(2014)2月に実施し、翌年27年はやっておりません。
28年に3回目を実施していますが、現在まで2年半経過しています。
このまま流れていくのかなという状況にあります。
以上の状況を踏まえながら、普代村議会のこれまでの住民懇談会であります、「村民と議会との意見交換会」。その実施した経緯や反省点について述べさせていただきます。
まず、「意見交換会」実施のきっかけについてでございます。
議員間では「議員個人がやればいいこと」というような感じで、はっきり言ってあまり積極的な空気はありませんでした。
実施のきっかけとなったのは、(2012)24年8月に発行した「議会だより」の内容が大きな引き金になりました。
当時は私が議会広報の委員長を務めさせていただいておりました。
その実施のきっかけとなった「議会だより」の内容は、<住民に聞く>という蘭を設け、こちらから質問を六問出すという形です。
地区の会長2名にお願いし答えてもらいました。
※質問内容の説明
(その中の「議会と住民が直接話し合う場を必要と思うか?」という質問に対して、・・・)
発行したあとの事ですが、村民に聞いた後の議会としての対応をどうするかという重大なことにも気づきまして、実の所そこまでは考えていませんでした。
村民に聞いた手前、結果報告は議会の義務として何らかの対応は必要です。
私としては、これを機会に「議会報告会」のようなものを開催し、そこで回答した方がいいのではないかという提案を、全協の場でお願いしました。
意見は賛否ありましたが結果として開催ということに落ち着き、初めての「住民懇談会」実施となっております。(賛否:質問がよくなかったとか、回答する必要はないなど)
実施前の意見として「テーマを決め、その背景や状況などの情報を提供してから、それについて住民の意見を求める」という形が望ましいとの提案もありました。
それに対して「何か意見がないかという形でいいではないか」というようなことで、
中々統一した方向性が得られないまま1回目を平成25年2月に見切り発車という感じで実施しました。
反省点ですが、予め議会で統一した見解と進行方法を確認したうえで実施することが必要であったという事は今でも思います。
やはり実施してみると、「何かたたき台があって、議会からその状況を知らせてほしい」との意見が何か所かの会場で出ています。
次に、2回目の翌年26年2月に実施した状況です。
前回の反省を踏まえ、テーマを決めて実施することにしました。ただ、詳しい情報は提供しない形は変わらず、住民との意見交換が今一つ深まらなかったところもあったと感じています。2班に分かれてやりますので、進行方法の違いとか、やはり、統一した見解と進行方法の確認 という事がネックだと感じています。
次の3回目は28年2月の実施です。
3回目も打ち合わせのないまま、またテーマも特に決めていませんでした。
3回目は前年に選挙がありまして、議員も入れ替わっていました。議会としての事前打ち合わせをやっていればもっとよかったのではないかと感じています。
3回実施してみて一番感じるのは、「意見交換会」ですので、住民に課題を説明し議論できるような下準備の実行が大きな壁であると感じています。
3回目の「意見交換会」の反省会では、議員それぞれの意見を聞く中で、「参加者が少ない所もあり、やっても意味がないのではないか」というような意見もあり、全体的に意見交換会へ消極的な空気がありました。
その反面、住民からは「ぜひ毎年やってもらいたい」という声が毎回聞かれます。
また、3回目は前回と議員の顔ぶれも変わり、前回までの反省点など伝えてありませんでしたので、その点で認識を共有できないまま実施したことは残念に思っています。
とは言いましても、これまで3回実施してみて、村民の意見がこのような会だからこそ聞けたと実感できるものもあります。また直接住民の生の声を聴きますので、生きた意見を聞くことができます。
それが一般質問や予算委員会の質問につながっていたことも事実でございます。
そういう意味では「民意の反映」という成果はそれなりに出ています。
あと、改善点は、進行方法を話し合うことで議員の目的の統一感を持つことだと思います。
今後は議会として、民意反映の在り方についてもっと協議することが課題です。
「住民懇談会」のあり方を考えるという以前に、その必要性の認識や、議会としてそれをどう活かしていくかという目的意識の統一があればもっと成果が出ると期待しています。
以上ですが、説明不足の所もあったかと思います。質問していただければ助かります。
それではこれで普代村議会の発表を終わります。
どうもありがとうございました。
参考:2017(H29).8.29 総務常任委員会(金子委員長)として
「小中学生の母親との意見交換会」を実施した状況について捕捉する。
以上、当時の原稿のみで終了します。
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