375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

「九月の色」は、どんな色? ~久保田早紀・名曲集。

2006年09月02日 | 文化・芸能・音楽など


久保田早紀シングルズ CD&DVD THE BEST」 2005年6月29日発売 MHCL-583~4

収録曲 [CD]①異邦人 ②夢飛行 ③25時 ④みせかけだけの優しさ ⑤九月の色 ⑥真夜中の散歩 ⑦オレンジ・エアメール・スペシャル ⑧長い夜 ⑨レンズ・アイ ⑩日本の子供達 ⑪ねがい ⑫地球はコンサート・ホール ⑬愛の時代 ⑭ルシアン ⑮お友達 ⑯エルドラド ⑰ピアニッシモで・・・ ⑱夜の底は柔らかな幻 ⑲百万本のバラ ⑳風激しく ―讃美歌126番―

[DVD]①25時(ライブ) ②メドレー(ライブ) オレンジ・エアメール・スペシャル~キャンパス街’81~最終便 ③異邦人(ライブ)
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夏のギラギラした太陽は去り、涼しい秋がやってきた。なんとなく、秋にふさわしい歌声・・・を連想させるのは、個人的には、この人、久保田早紀である。

まず、衝撃的なデビューが、秋だった。1979年10月1日に発売された1stシングル異邦人」は、ヒットチャートの1位を独走し、なんと150万枚の大ヒットとなった。あまりにも、この曲ばかりが有名になったため、あとに続く曲が目立たなくなってしまったが、よく聴いていけば、決して「異邦人」に劣るわけではない名曲が、たくさんあることに、気づくのである。

たとえば、1980年9月1日に発売された3rdシングル九月の色」。後ろ髪をひかれるような、せつない別れの心象風景が、「九月色の雨のしずく」に象徴される季節感とともに、水彩画のように描かれていく。歌われる声の質が、とても優しく、デリカシーに富んでいて、聴くたびに、癒されていくような気がする。女性のシンガーソングライターはたくさんいるが、これだけ優しい声を持った人は、なかなかいないのではないか、と思わせられるほどだ。

久保田早紀というと、「異邦人」のイメージから、エキゾチックで、神秘的なシンガーと思われることもあるようだが、実際は、ふつうの若い女性らしく、とてもチャーミングで、親しみやすい個性も備えていたと思う。1981年4月21日発売の4thシングルオレンジ・エアメール・スペシャル」は、彼女のポップで明るい魅力を開花させた名曲で、個人的には、むしろ、こちらを代表作にしたいくらいだ。当時、CMにも使われたので、同世代の人たちは、聞き覚えがあるのではなかろうか。

ここに紹介した、「シングルズ CD&DVD THE BEST」には、彼女が発表した10枚のシングル(引退後に発表した、久米小百合名義の1枚を含む)のAB面全曲が、発売当時のジャケット写真入りで、完全収録されているのがうれしい。また、付属のDVDには、1984年11月26日に行なわれたフェアエル・コンサートの、貴重な映像が収められている。

見どころは「オレンジ・エアメール・スペシャル」で始まる、3曲のメドレー。ピンク色のリボンが可愛らしい。応援してくれたファンのために、精一杯のパフォーマンスを見せてくれる。そして、アンコールに応えて、万感の思いで歌う、「異邦人」。この一曲で、伝説のシンガーソングライター・久保田早紀としての、5年間の活動に、終止符を打つのである。

別れの季節も、また、秋であった。



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