★NASAのハッブル天文台の望遠鏡が捉えた冥王星(左下)と、衛星・カロン(右上)。
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すでに、大多数の人々がご存知のように、今月23日、長らく「太陽系第9惑星」として認知されてきた冥王星が、国際天文学連合(IAU)の総会によって、惑星から除外されることになった。
アメリカの天文学者クライド・トンボーによって、1930年に発見されて以来、数々のSFドラマで、「さいはての惑星」として描写され、天文ファンのロマンを掻き立ててきた冥王星は、ついに、惑星としての「76年の歴史」を終えたのである・・・
このニュースは、思いのほか、大きな反響を巻き起こした。ふだん、天体などには興味を示さない人々でさえ、今回の天文学者たちの会議の行方には、異常なほどの関心を示したのだ。おそらく、かなり多くの人が、表舞台から抹殺されそうになる冥王星に対し、心情的な理由で、声援を送っていたのではないだろうか。
自分も、当初は、やはり冥王星には、惑星の地位にとどまってほしいという気持ちがあった。ただ、冷静に考えてみれば、いずれこうなることは、避けられない運命だったとも言えるだろう。
近年、天体観測の精度は、飛躍的に向上している。従来、太陽系を周回する天体は、惑星(planets)+小惑星(asteroids)+彗星(comets)のいずれかに分類すればよかったが、1990年代以降、この枠組みではとらえきれない小天体が、続々と発見され始めたのだ。
実は、発見以来、「惑星」として分類されていた冥王星も、他の惑星と比べると、大きさ、材質、軌道などの面で、特徴が大きく異なる。むしろ、最近になって数多く発見されている、海王星以遠の小天体群に近い・・・ ということで、いずれは「政界再編」ならぬ「星界再編」を考える必要に迫られていたのである。
今回の会議では、従来のカテゴリーに収まりきれない天体を、新たに「dwarf planets」(矮惑星? 正式な和名は未発表)というグループに分類。その先駆者的な位置に、冥王星を抜擢する、という決断を行なった。つまり、考えようによっては、冥王星は「左遷」されたのではなく、「栄転」したということになる。
物事、終わりがあれば、始まりがある。冥王星の、「太陽系第9惑星」としての歴史は終わりを告げたが、新勢力「矮惑星(?)の旗手」としての新たな歴史が、これから始まるのだ。
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