東京 青梅市の大火事がようやく鎮火したと、聞きました。
被害にあわれた方、お見舞い申し上げます。
火事は怖いです。
お寺が火事になったと聞いて、私の子供の頃の話を思い出しました。
私は、今から、40年近く前のこと、小学生の時に、父親がお寺の跡を継ぐために、
都会のサラリーマンの核家庭から、ど田舎の貧乏なお寺の子(祖父母と同居)になりました。
最初は、ワンちゃんや猫ちゃんが飼えると、田舎に住めることを喜んでいましたが、
あまりにも、生活が急変し、子供心に、なかなか、お寺の生活が受け入れられませんでした。
同じ日本でも、言葉(方言)が違う、習慣が違う、お寺の子として、
いつも良い子でいないと、いけませんでした。
お寺に引っ越したばかりの頃、
近所のいじめっ子が、お寺のお庭に遊びに来るので、「来ないで欲しい」と
言ったんです。
「お寺は、みんなの物だから、そんなことを言ったらダメだと
おばあちゃんが言っていた。」と、
そのいじめっ子から、聞いて、ショックで、学校を何日か休んだほどです。
普通の家ではないと言うことを、その時、しみじみと感じました。
また、忘れられないのが、その当時、自分で作ったお人形を、
ストーブの上に(火の着くところではなく、タンクの上)置いたとかで、
おじいちゃんとおばあちゃんに、ものすごく怒られたことです。
たまたま、リビングを通りかかったら、アル中のおじいちゃん(本当の祖父ではない)から、
「ここに座れ」と、怒鳴って呼び止められたんです。
私が中学1年位だったと思います。
すると、お酒を飲んでいた おじいちゃんが、
「(火は着いていない)ストーブの上に、お前のお人形が
置いてあった。
もしも、火事になったら、エライことになる所だった。
お寺が燃えたら、どれだけの損害が出ると思うのか?
お金がいくらかかるか?お前は、分かっているのか?
お寺は、檀家さんのものなんだ・・・。」
と、えらい剣幕で、怒鳴りまくるのです。
私は、泣きながら、ストーブの上に置いていないので、
「私はストーブの上に(お人形を)、置いていません。」
と訴えたのですが、信じてもらえませんでした。
泣きながら、お人形を抱えて、自分の寝室のある離れに帰りました。
すると、部屋に実母が居て、「どうしたの?」と聞くので、
いきさつを話すと、ストーブの上に置いたのは、なんと実母だったんです。
母は、「(祖父母に、)私がストーブの上に乗せました、と
言ってこようか?」と言うのですが、
私は、実母が祖父に怒られると困ると思い、「もう良いよ。」と、
そこでガマンして、大声で泣いたんです。
自分が悪くないのに、何でこんなに怒られるのか?
理不尽だと思いました。
母も母で、「りぼんは悪くない、ごめんね。」と言ってくれたら良かったのに、
「りぼんが、お人形を置きっぱなしにしていたので、
わかりやすいストーブの上に、置いた。」と言うんですよ。
もう、信じられなくて・・・。
その時、母も、泣いていたんですよね。
今、思うと、母はおかしいと思います。私を守ってくれなかったですものね。
こういうことが、たくさん積み重なって、実母の行動や言動に不信感を、
持つようになってしまったのだと、思います。
それ以来、お寺が嫌になってしまい、「お寺は嫌だ」と言ったら、
本堂で正座をして、父親母親から、説教を受けて、
「そんなに嫌なら、お寺を出ていけ」と父親から、
怒られたこともありました。
今思うと、子供は、住む環境を選べないですよ。
いくらお寺が嫌でも、親とお寺にいるしかないんです。
大人みたいに、嫌なら出て行くことも出来ませんものね。
お寺の子と言うことで、ド田舎では、家の外でも、全て、注目の的なので、
いつも、良い子でいないといけないし、お手伝いも、嫌でも引き受けないといけない。
妹や弟みたいに、お手伝いが嫌とか逃げることは、私は、出来ませんでした。
母が大変だったら、手伝いをするしかないし、
祖母におつかいを頼まれたら、行くしかなかったんです。
断るなんて、考えられなかったんです。
父母と、祖父母がいがみ合っていても、間に入って、板挟みになったり、
祖父母の部屋に遊びに行ったりと、他の兄弟がしないこともして、
何とか、子供ながらに、気を遣って、みんな仲良くしたいと、思っていたようです。
私は、もしも、お寺に父が行かなかったら、ひょっとしたら、
双極性障害にならなかったかも?しれないと思うことがあります。
以前、私が双極性障害と診断したお医者さんが、
「子供の頃の環境が厳しい人が、双極性障害になることが多い」
と言っていたので。
もう、久しく実家には、帰っていません。
愛猫 きららが来てから、実家には帰っていないので、15年以上帰っていない
ことになります。
時々、実家に帰りたいなあ・・・と、思うこともあるんですけどね。
実家まで、かなり遠いですし、
田舎の人って、ものすごいネットワークで、私が帰省しようものなら、
「お寺の娘が帰ってきていたよ。」と、ウワサしたり、
すごいんですよね。
もしも、タクシーに乗って、お寺の前を通ることになっても、
タクシーの運転手さんも、地元の人ですし、
私、顔が実母ソックリなので、身バレしちゃいそうで、帰省は難しそうです。
悲しいけど、もう、帰ることは無いと思います。
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