空飛ぶ自由人・2

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映画『スイング・ステート』

2023年07月11日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

2020年の旧作。
2021年9月日本公開。
公開時、私のアンテナには引っかからなかったが、
Netflixで配信されていたので、視聴。

民主党の選挙参謀ゲイリー・ジマーは、
担当したヒラリー・クリントンが大敗し、打ちのめされていた。
ある日、ウィスコンシン州の小さな町ディアラケンの町会で
移民を擁護するリベラルで人々の胸を打つ演説をしている
退役軍人ジャック・ヘイスティングス大佐のYouTube 動画を見て、
彼こそが中西部の農村で民主党の票を取り戻す、
起死回生の秘策だと確信する。


スイング・ステート(激戦州) のウィスコンシンを足掛かりに
地盤を広げるべきと、党を説得し、
単身アポなしでディアラケンへと赴き
大佐に民主党からの町長選出馬を要請する。
ゲイリー自身が指揮を取ることを条件に大佐は出馬を了承し、
大佐の娘ダイアナや住民のボランティアと、
地道な選挙活動をスタート。
しかし、対立候補の現役町長ブラウンに、
共和党がトランプの選挙参謀フェイス・ブルースターを送り込む。
ゲイリーとフェイスは選挙戦の宿敵だった。

ディアラケン町長選をめぐる闘いは、
ゲイリーVSフェイスの戦いだけではなく、
民主党VS共和党の「仁義なき代理戦争」となっていく。
中西部の田舎町の町長選挙が
あれよあれよという間に、全米注目の一大選挙へと発展・・・。

アメリカの大統領選挙というのは、
二大政党の激突、州ごとの選挙人の獲得制度、
なりふりかまわぬネガティブ・キャンペーンなど
その成立の経緯を知らないと、
理解不能な、世界でも特殊な選挙だが、
これを、片田舎の町長選挙に矮小化して描いたところがミソ。
資金調達の方法やテレビCM、ネガティブCM、
データを通じての獲得票数の読み、
地域に特化した宣伝チラシの配付、
スキャンダルの暴露など、
そのまま踏襲する。
更に選挙資金の援助をニューヨークまで出かけて要請する。
(ここにネタが仕込んであるとは知らなかった)
なりふり構わぬ選挙戦に勝つのは、果たしてどちらなのか?
出口調査もしないままの、
異変だらけの投票結果が発表されると・・・

ラストで、観客が大がかりな「うっちゃり」をされる。
これは予想していなかった。
思い返せば、いろいろとほのめかしてはいるのだが。

大佐の娘の言うことが辛辣。

「このシステム。
この“人を選ぶ方法”。
すごく恐ろしくて残酷だわ。
何よりみんなをおかしくさせる」

そして、その「計画」の動機を述べる。

「あなたたち(候補者や選挙参謀たち)は、
接戦州だからって、
4年に一度だけ現れて、
選挙が終わると同時に姿を消す。
でも、私たちは、問題を抱えたまま、
この町に取り残されて、
また4年後に、
口先だけの約束を聞かされる。
その繰り返し」

監督・脚本はテレビ番組「ザ・デイリー・ショー」の司会などで知られる
ジョン・スチュワート


この人、アカデミー賞の司会を2度もつとめている。
ゲイリーを「フォックスキャッチャー」などのスティーヴ・カレルが演じ、


“世界で最も美しい顔”1位の経歴を持つローズ・バーンがフェイス役を、


オスカー俳優クリス・クーパーが大佐を演ずる。

エンドロール中に
選挙資金寄付制度の専門家らしき人物が
ラストの仕掛けの正当性を解説する。

ちょっとひねった選挙モノとして、面白い。

 



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