秘密と嘘
おすすめ度
原題:Secrets & Lies
制作:1996年 イギリス
制作:サイモン・チャニング・ウィリアムズ
監督・脚本:マイク・リー
出演:ブレンダ・ブレッシン ティモシー・スポール マリアンヌ・ジャン=バプティスト フィリス・ローガン クレア・ラッシュブルック
ちょっとなつかしい感じになりますが。マイク・リーが監督・脚本を務めた「秘密と嘘」です。1996年のパルムドール受賞作品です。
若い黒人女性ホーテンス(マリアンヌ・ジャン=バティスト)の養母が亡くなり、死別したとされている、生みの母を探しはじめます。彼女は役所で自分の戸籍を観て驚きます。黒人であるはずの自分の実母の記述が、白人だったからです。
一方写真家のモーリス(ティモシー・スポール)は姉のシンシア(ブレンダ・ブレッシン)と姪のロクサンヌ(クレア・ラシュブルック)のことが心配です。二人の間柄は最近ギクシャクしているのです。妻のモニカ(フィリス・ローガン)と相談し、姪の誕生日に二人を自宅に招待することを決めます。
その頃、ホーテンスは遂に生みの母の住所を探し当て、悩んだ末に電話をかけます。その生みの母こそシンシアだったのです。シンシアは大いに揺れますがホーテンスに会うことを決意します。待ち合わせ場所で黒人のホーテンスに尋ねられて彼女は驚愕します。そして、近くのコーヒーショップで初めて顔をあわせて話し合う二人。反抗的なロクサンヌに悩まされていたシンシアは、ホーテンスとの時間がとても大切なものになっていきます。
ある日彼女はある提案をします。「私の友達ということにしておけば大丈夫よ。」そう言い、彼女はホーテンスをロクサンヌの誕生日に招きますが…。
様々な事情を抱えながら生きる家族の愛をテーマに描いたヒューマンドラマです。静かに、そして淡々と描かれています。自分を守る為に秘密を作り、その秘密を守るためにさらにつかなければならなくなる悲しい嘘。いろいろな思いが交錯していて、とても切ないストーリーでした。
ダメなんですよね。家族モノ…。結構涙腺がゆるゆるになるんです。ブレンダ・ブレッシンが演じた母親像が妙に切なくて。見事なシンシアぶりでした。上手な女優さんですね。これも、何度か観てるんですが、観るたびにぐっときます。年のせいでしょうか。
「人生ていいわね」というシンシアの言葉が妙に染みます。
何度でも観たい作品です。
・秘密と嘘@映画生活
・前田有一の超映画批評