茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

八卦

2005-07-26 22:35:07 | 茶の基本思想
  さて、昨日ちょっと登場した“八卦”とは何か。我々の日常で残っている言葉としては、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」とか相撲の行司がいう「八卦よい、のこった」位だろうか。八卦も“陰陽五行思想”の中でご説明した陰陽から派生、発展したもの。

 まず、陰と陽の記号は、陰は‐‐、陽は―で表される。

 それが2つ重なる組み合わせで、四象(太陰・小陽・小陰・太陽)を生じる。四象は東西南北と春夏秋冬、色をも表す。
また五行思想の(土)は中央に座す。
陰陰(火)‐‐  陰陽(水)―― 中央(土) 陽陰(木)‐‐  陽陽(金)――
南/夏  ‐‐  北/冬  ‐‐        東/春  ―― 西/秋 ――
太陰       小陽             小陰       太陽
朱色       黒色             青色       白色
有名な東西南北四方向を守る守護神は、南が朱雀、北が玄武、東が蒼龍、西が白虎。

 さらに四象がそれぞれ2つずつに分かれ(つまり陰陽が3つ重なる組み合わせ)、八卦となり、方角や家族、自然等も表す。
陰陰陰  陰陰陽  陰陽陰  陰陽陽  陽陰陰  陽陰陽  陽陽陰  陽陽陽
‐‐      ――    ‐‐    ――     ‐‐   ――    ‐‐     ――
‐‐       ‐‐    ――    ――      ‐‐    ‐‐     ――     ――
‐‐       ‐‐     ‐‐      ‐‐     ――   ――    ――     ――
坤コン    艮ゴン   坎カン   巽ソン   震シン    離リ    兌ダ    乾ケン
地      山     水    風     雷     火     沢       天
母     少年   次男    長女   長男    次女   少女     父 
西南    東北    北    東南    東      南     西     西北
 
 八卦を表す陰陽三つの重なりには、この世に生まれて自分一つ、結婚して2つ、子供が生まれて3つという説と、天地人を表すという説があるそう。

 これがどう茶道と関係しているのか、って感じでしょうか。昨日ちょっと紹介しましたが“八卦盆”という丸いお盆に八卦の記号を書いた茶道具があり、それを使用したお点前もあるのです。それもまた意味があるのですが、また後日。

 さて、これで最初に書いた、“当たるも八卦、当たらぬも八卦”と“八卦よい、のこった”の意味、おわかりになったでしょうか。前者はどうなるかは天のみぞ知る、天に運を任せる、後者の“八卦よい、のこった”は8つの方向が全て丸くおさまっていますように、という意味。今度テレビで相撲の土俵をよく見てみて下さい。土俵の周囲は四角で陰、中の土俵の形の丸は陽、四隅には四象の色(朱・黒・青・白)の房がさがっていますから。
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2 コメント

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すごい! (ran)
2008-04-06 05:53:54
陰陽五行には興味がありましたが、小難しいと思ってつっこんでおりませんでした。
たまたまお茶のことを調べていて、こちらのブログにおじゃまして、気づいたらこの記事を読んでおりました。
なんとなくわかりました!←この、「なんとなく」にさえ、本を読んでも至らなかったのです。だから感謝です!
ありがとうございます。
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ありがとうございます (m-tamago)
2008-04-07 10:01:13
ranさん、はじめまして、でしょうか。
茶道は習っていらっしゃいますか?

陰陽五行は難しいですね。私もわかったようなわからないような。参考になったようで嬉しい限りです。
年齢を重ね、茶道を習い続けていると、私たちは目に見えない天地の力に導かれているのだなあと感じることも多いです。
茶の湯の中には陰陽五行の世界が盛り込まれているので、まだまだ知らないことがたくさんあります。
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