茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

利休百首23

2020-07-12 21:06:37 | 利休百首
23. 乾きたる茶巾使はば湯はすこし
      こぼして残してあらふぞよき



 最初読んだ時は何のことかよくわかりませんでした。
 乾いた茶巾を使うって???
 茶巾はそもそも濡らして絞って畳んで茶碗に仕込むものなのに?と。

 井口海仙先生の解説を読んでなるほどなと合点がいった首です。

***********以下引用

 (急に他所で点前をする場合、)
 茶巾が乾いたように、湿りが少ないときには、茶筅通しの湯をすてるとき、
 少々を底に残しておいて、その湿り気が、茶巾にまわるようにして拭けばよい。
 しかし、このようなことは、あってはならないことである。

 自分で点前をするときは、とうぜん茶巾の絞りかげんをたしかめねばならないし、
他人に点前をしてもらうときには、水屋から絞り直した茶巾を持ち出して、
それまでの茶巾と、とりかえねばならない。

 この歌は、もしもの場合の心得を教えられたものと解したほうがよい。

********************************


 「茶巾の絞り加減も、自分で度々経験して一番拭きやすい絞り加減を覚えておくのがよい」
ともおっしゃっています。
 
 そう、茶巾は、絞り加減もさることながら、他の方が畳んだものだと
しっくりこない場合があります。
茶碗をうまく清められなかったり、清めた後ぐちゃぐちゃになってしまったり。

 点前をする際は自分でお道具の準備をするのは基本、必須だ
と今なら言えます。

 若かりし頃の恥ずかしい話ですが。
 OLになってから通い始めた先生のお宅では朝9時過ぎから夕方17時頃まで
一日中入れ替わりでお稽古が行われていました。
一番最初に行った人が準備をし、最後にいた方が片付けをします。
 20代の頃は他に楽しいこともあり、午前中だけで帰ったり、途中から参加して途中で帰る
など不真面目な弟子でした。
 先生も先輩も思うことはあったと思うのですが、特に注意されることもなく、
お恥ずかしながら、準備して頂いた道具で点前をすることもよくありました。
 その時は何の疑問もなく、点前ができたことだけで満足していたのでしょう。

 その後、準備・片付けの大切さや楽しさに気づいた時、20代の自分を恥ずかしく思い、
また勿体ないことをしたとつくづく後悔したものです。

 学びは点前そのものだけでなく、準備や片付けの中に沢山あったのです。

 茶道に限らず、何事も、準備、片付けが何より大事ですね。


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