そういうことになると思います。
因縁解脱という言葉には、
特別な意味があると思うのです。
それは《成仏》と同じ意味だからです。
さらには、
お釈迦様がそれをお説きになっていたと思われるのです。
例えば、
前回も書いたのですが、
諸漏尽解脱という文句がありますね。
この「漏」という言葉は、煩悩ということです。
それはお分かりだと思うんです。
では、
その煩悩はどこから漏れ出てくるのでしょうか?
悪因縁からです、深層意識に巣くっているところの、
抑圧意識として潜んでいる「諸々の悪因縁」から、
心の中に、それは漏れ出てくるのです。
そして、
煩悩というマイナスの心が、
次の行動を引き起こすのですね。
そうして、
マイナスの行動を起こして、
不徳を積むのです。
だから、
煩悩はマイナスの心なんだということが言えるのです。
密教では、
抑圧意識を数十種類に分類しています。
そして、
それを『運命の星』として分類し、
それぞれの運命の星が持つ煩悩を見分けるのです。
だから、
逆に言うと、煩悩の種類が分かると、
運命の星=悪因縁が分かるし、
未来にどういう行動をとるかも見えてくる。
また、
煩悩が見えると、悪因縁も見えるので、
煩悩の状態によって、
まだ因縁は切れていないことがわかる。
煩悩が出なくなると、
悪因縁が切れてきたという事になる。
成仏へ一歩近づいたということになるのです。
だから、悪因縁が切れ始めると、
煩悩も自然と出なくなるのですが、
煩悩を出さないようにしているうちは、
悪因縁が切れたとはいえないのです。
悪因縁が切れるときは、
まず間違いなく、因縁の洗い出しがあります。
その時、
理不尽な想いを持ちます。
それが抑圧意識に巣くっているところの煩悩です。
例えば、
瞋りとか、
貪りの心とか、愚痴とか、
疑いの心とかが起きて、
思わしくない行動をとるのです。
それは問題なかったとしても、
問題成るがごとく受け止められて、
非難されたり、その行動を責められたり、
また反省させられたりするのです。
実に理不尽極まるものです。
ですが、
それが因縁の洗い出しなんだと理解できるのに、
何年もかかったりするのですね。
それはあたかも傷のように、
癒しの時間が必要なんです。
その期間が必要なんですね。
ですが、
その癒しの期間が終わると、
もう煩悩は出なくなるのです。
抑圧意識からの解放ですね。
それを何度か繰り返して、
因縁解脱が完成するのです。
どうでしょうか、
洗い出し現象って素晴らしいですね。
えー?
出ている最中はとても苦しいですよね、
もう辞めてやろうかなんて思うことがしょっちゅうですよ。
ですが、
終わるとすがすがしいの一言。
これが成仏の段階なんだ。
これが魂の浄化なんだ。
それを実感できるのが、
本当の本物の成仏法だということですね。