(つづき)
「四聖諦」について、
実に苦しみという、聖なる真理について考察したものである。
生きるということは、実に苦しみである。
お釈迦様の目から見る時、それはまさに「苦」そのものである。
老いる苦しみがあり、病む苦しみがある。
死の苦しみがあり、憎い人に会う苦しみがある。
愛する人に分かれる苦しみがあり、
欲するものを得られない苦しみがある。
(悟らざる者の)生きるということは苦しみである。
実に、苦しみの生起の原因は以上のとおりである。
それは苦しみの原因を集めているからである。
それは欲望に対する妄執、生存に対する妄執、
生存の絶無に対する妄執から生じるものである。
実に苦しみの止滅という、
聖なる真理は、次のごとくである。
それは苦しみの原因となるものを止滅し、
それからの解脱である。
実に、苦しみの止滅に至るという聖なる真理は、
次のごとくである。
これは聖なる八支より成る道である。
すなわち、
正しい見解、正しい思惟、正しい言葉、正しい行い、
正しい生活、正しい努力、正しい念い、正しい瞑想である。
つまりニルバーナに入って仏陀となられたゴータマは、
成覚後、はじめて五人の修行僧に説法されたのが、
以上の「四聖諦」と「八正道」である。
(『人間改造の原理と方法』より)
(つづく)