六道輪廻という言葉がありますが、
その六道を脱したクラスを、仏教では「四聖」と呼んでいます。
では、
天部の神様とはどういう関わりがあるのか、
それを確かめてみたいと思うのです。
まず、
「十界」という考え方がありますね。
迷いの世界とさとりの世界を、
十種類に分けたものという意味です。
①地獄界 ②餓鬼界 ③畜生界 ④修羅界 ⑤人間界
⑥天上界 ⑦声聞界 ⑧縁覚界 ⑨菩薩界 ⑩仏界、の十種類。
①から⑤までのクラスを迷界、⑥から⑩までを悟界とします。
でこれを推察するに、
声聞界=須陀愠、縁覚界=斯陀含、 菩薩界=阿那含、と考えることは可能だと思うんです。
で、建前から言うと、
十界のうちの天上界には、
28種類あるんだというんです。
が、これは少し使用する言葉を考え直す必要があります。
その28種類を分類すると、
下の欲界に六種類、色界に18種類、無色界に4種類。
こうあります。
ですので、
これが仏界に至るまでの霊界の諸段階だと考えられます。
浴界の6種類とは、
一、四大王衆天(四天王・下天)二、三十三天(忉利天)三、夜摩天、
四、兜率天、五、楽変化天、六、他化自在天、
以上を六欲天というのだそうです。
次に、
色界の十八種類の天上界には、大きく分けると、
四つになります。
一、初禅天、二、第二禅天、三、第三禅天、四、第四禅天、
初禅天に、梵衆天、梵輔天、大梵天、
第二禅天に、少光天、無量光天、極光天、
第三禅天に、少浄天、無量浄天、遍浄天、
第四禅天に、無雲天、福生天、広果天、無想天、無煩天、無熱天、善現天、善見天、色究竟天、の合計十八種類。
次に、
無色界の四種類の天上界は、空無辺処、識無辺処、無所有処、非想非非想処、
の以上となります。
以上の天をよく調べたうえで、
これらの天がどういう状態であるのかを確認して、
それが十界の中の「天上界」に属するものかどうかを、
確認したいと思います。
でその後を調べてみました。
色界第四禅天の八番目に、
「色究竟天」というのがありますね。
これは別名、阿迦尼叱(アカニシツ)天というのだそうです。
または、
摩醯首羅(マヘーシュラ)・大自在天だというのです。
そして、
そのマヘーシュラに二種あって、
一つは、浄居天に生を受けたるもの是なりとあります。
浄居とは、十地の菩薩であるとあります。
色界頂色究竟天の主とせられる。
次に、
「顕教には、色界中に不還果の聖者の生ずべき処として、
第四禅の、無煩・無熱・全現・善見・色究竟天の五を浄居天とする」
とあります。
「この天は種々の楽を受けるに由りて悦ぶ」とあるのです。
「これは仏の化生にて、世の垢に関せず、故に法により生ず」という。
「所説あるに従いて、衆生のために法を説くとするなり!」
浄居天は不還果である、と説明されていますね。
つまり、
阿那含(アナゴン)であるというわけです。
ようやくわかりました。
(密教大辞典より引用)