とある公園の施設の中にある、
小さな池には、亀や目高やモツゴ、鮒などが飼われている。
2匹いるクサガメは大きく、
いつも甲羅干しをしていることが多いのだが、
片方は臆病で人の姿を見ると逃げることが多い。
が、
もう一方はまるで仙人のように泰然自若として、
甲羅干しを続けている。
で、
巻頭の写真は亀にカメラを10cm程度まで近づけて撮ったものである。
巻頭の写真でも判るのだが、
彼らは必ず私を見ている。
それも私の眼を見ているようである。
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「亀は万年」といわれるように、
もしかすると長生きの過程で人の心をも読むことができるのでは・・・
つまり亀が逃げないのは、
「私から亀に対して攻撃することは無い」
ということを察していたにちがいないのである。
で、さっさと逃げていくのは、
若くてまだ人の心が読みきれていないのであろう。
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巻頭の写真のように、
見れば見るほど悟ったような目つきをしている。
ところがある日、
たまたま持ち合わせていたパンの端を千切って、
亀の前に落としたら・・・
水に浮いたのを頭を横にして・・・「食べた!!」
そして
一口で飲み込むと亀は豹変した!!
急にあたふたと慌てるかのごとく、動きも活発になり、
「もっとくれーーーー」的な行動をしたのである。
亀恐るべし・・・
人に「もっと呉れ」の理解をさせる術まで心得ていたのである。
私はまんまと操られ催促されるがまま追加のパンの切れ端を・・・
水分を含んだパンは溶け出すほどの柔らかさになったのだが、
それが彼らの大好物だと知ることとなった。
それにしても泰然自若として威厳を保っていた仙人の様な亀は、
「美味しさ」のためにメロメロになってしまったが、
人だって同じようなことはあるものだと・・・・思う。