旅の途中で

絵のこと音楽のこと本のことetc・・・趣味全開でスケッチスケッチ!

最近読んだ本

2013年09月05日 00時18分44秒 | 
実は最近、米澤穂信さんにすっかりはまっています!

前からたまに読んではいたんですが、「氷菓」から始まる古典部シリーズですっかりその世界に魅了されてしまいまして。

 折れた竜骨 米澤穂信 著

ハードカバーで発売されたときから、その魅力的なタイトルとファンタジー+推理物という変わったカテゴリーがずっと気になっていました。
やっと文庫化されて、発売日に書店に買いに行っちゃいました(笑)

期待を裏切らない面白さ!でした

舞台は、英国の離島。
魔法や不死身のヴァイキング、呪いが存在する中世の世界。
領主の娘に旅の騎士とその従者。

この設定だけでわくわくするのに、さらに推理物が合体するんですよ!
両方のジャンルが好きな私には、たまらない設定です。

物語の始め、領主の館で魔法を使った殺人事件が起きます。
これは、悪い事が起きる前兆だと混乱する館に、旅の騎士が現れます。

この騎士が推理をしていくんですが、魔法という非論理的な物に、論理的な推理で立ち向かうのがとっても面白いです。


 小市民シリーズ 米澤穂信 著

「春期限定いちごタルト事件」
「夏期限定トロピカルパフェ事件」
「秋期限定栗きんとん事件」(上・下)

今度は現代の日本に戻って、古典部と同じような高校生が主人公になります。

決して目立たない「小市民」でありたいと願う、小鳩くんと小山内さんの2人が、なぜか事件に巻き込まれて結局活躍してしまうというシリーズです。

小鳩くんも小山内さんも、控えめで大人しい普通の高校生って感じなんですが、そこは米澤さん。
決してのほほんとした軽い内容ではなく、シリーズを読み進めていくにつれて強くなっていく「毒」が、知らないうちにじわじわと効いてきます。

タイトルも可愛いですけど、かなり毒気があって面白いですよ・・・

このシリーズ、まだ「冬期限定」が無いんですよね。
続き、期待していいんでしょうかね!





最近読んだ本

2013年07月30日 22時42分02秒 | 
 永遠の0 百田尚樹 著

★大人気の本ですが、批判しています。
大好きな方は読まないで下さいね。










ベストセラーになり、映画化もされた話題作です。
知り合いが読んで「すごく良かった!」と大絶賛してして気になっていたところ、たまたま友人が持っていたので借りて読んでみました。

貸してくれた友人にはとっても申し訳ないんですが・・・(汗)
正直、私はこの本はダメでした。

太平洋戦争中、零戦の操縦が天才的に上手いが、何より「死」を恐れる宮部という軍人が、なぜ最期は特攻隊として亡くなる事になったのか。
その秘密を、宮部の孫にあたる健太郎とその姉(フリーのジャーナリスト)が、宮部を知る元軍人達に会って話を聞き、探っていくという物語です。

最初読み始めた時は、面白いテーマだなと思いました。
「死にたくない」と言っただけで非国民扱いされる戦争中に、堂々と「死にたくない、絶対に生きて妻子の元に戻る。」と誓う軍人の話って、なかなか面白い方向に転がりそうで。

だけど、読み進めていくうちに、激しい違和感を感じてしまいました。

確かに、零戦の空中戦や悲惨な戦争体験の描写は迫力があって、ぐいぐい読ませる力があると思います。
私もつい引き込まれて読んでいたし、悲しい場面では涙が止まらなくて大変でした。

ただ・・・最後までこの本を貫く「立派に戦って死んだ人達」「勇敢で男らしかった」「特攻隊は無駄死じゃなかった」「サムライ」というスタンスが、どうも共感できませんでした。

そんな単純な物ではないはず。
こんな厳しい世の中だから、日本を持ち上げる本にみんな飛びつく気持ちはわかります。
が、やっぱりそこは一歩引いて、冷静にならないと危険な道に進んでいきそうです。
(ていうか、すでに進みつつあるんですけど。)

あと、現代人の代表である健太郎とその姉に、全然魅力がなかったのも残念。
戦争体験の話に簡単に感化されすぎ(^^;
姉は一応「ジャーナリスト」なのに、なにかにつけて考えが甘すぎるし・・・

エンターテイメントとしては読めますが、みんなが大絶賛するような名作というのは、ちょっと言いすぎだなと思いました。

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今は、文庫化を首を長くして待っていた、米沢穂信さんの「折れた竜骨」を読み始めています。
まだ最初の最初ですが、続きが楽しみ~(^^)





最近読んだ本

2013年07月16日 22時41分19秒 | 
 プロムナード 道尾秀介 著

新聞や雑誌などに掲載された、道尾秀介さんのエッセイを集めた本です。

普段の何気ない風景や人との会話などが、道尾さんにかかるとちょっとした短編風になってしまうのがすごい。

道尾さんの感受性豊かな文章に触れてみると、ああいう本を書くのも納得です。
「お?」と思う瞬間が、人よりも多いんでしょうね。

それにしても面白いなと思ったのが、バーや飲み屋で色んな面白い人達と交流している事。

もともとお酒がお好きだという事で、一人でふらっと「行きつけ」(この響きがかっこいい)のバーや飲み屋に行くみたいですが、一人で飲みに行くと、そんなに色んな人達と知り合いになれるもんなんですか

でも確かに私の周りにも、一人で飲み屋に行ってそこで人脈を広げてる人、います。

いいなーいいなー
でもそんなにお酒強くないし、一人で飲みに行くってなかなか勇気いるー(笑)

「作家」の道尾さんにとっては、もはや省くことのできない大切な空間になっているのかもしれませんね。

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今は、有川浩さんの「旅猫リポート」を読んでいます。

これねー・・・かなりグッと来ます。
すごいです・・・






最近読んだ本

2013年07月04日 21時32分13秒 | 
 古典部シリーズ 米澤穂信 著

最近はまっている米澤さんの作品です。
「古典部シリーズ」という通り、とある高校の「古典部」所属の個性的な面々が、学校生活の中で起きるちょっとした謎に挑んでいく物語をシリーズ化しています。

多分今のところ文庫化されているのは

「氷菓」
「愚者のエンドロール」
「クドリャフカの順番」
「遠まわりする雛」
「ふたりの距離の概算」

の5冊だと思います。

主人公は、折木君という男子学生なんですが、これが「やらなくていいことはやらない」を貫く省エネ男子。
古典部も入る気はなかったのに成り行きで入ってしまい、入ったら入ったで何もせずに本を読んでいるだけというヤツ。

ただ、謎解きの才能がすごいため、省エネしたいのに何かとトラブルに巻き込まれていくのが面白いです。
他のメンバーもみんな、超個性的で可愛いヤツらなので、すぐ感情移入できました。

あくまでのんきな学生達の物語なので、殺人や傷害といった物騒な事は起こりませんが、普通なら見逃してしまうような小さなヒントから、見事な推理をしていく折木君の名探偵っぷりにハマります!

これからもまだ続いていくのかな?ぜひ続きを読みたいです。

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米澤さんといえば、7月中旬に「折れた竜骨」が文庫化されるんですよね~。
これも楽しみだな~





最近読んだ本

2013年05月22日 23時31分19秒 | 
 完全なる首長竜の日 乾緑郎 著

こんど映画化されるそうですね。
私は完全にタイトル買いです(^^)
「完全なる首長竜の日」って、なんて魅力的なタイトル

物語も、ちょっと不思議な内容です。

植物状態になった患者の、意識の中に入る事ができるという医療が確立されている時代が舞台。

自殺未遂で昏睡状態にある弟の意識の中に入り込み、自殺を計った理由を探るために対話を続ける主人公の淳美。

そんな彼女の身の回りで、不可思議な出来事が起こり始めます。

物語は、弟の頭の中の情景や淳美の子供の頃の記憶、現在の日常生活が絡み合って、だんだん現実と非現実の境目が曖昧になっていきます。

ラストは割と予想はできたものの、最後まで不思議な空間を楽しむ事ができました。


 猫を抱いて象と泳ぐ 小川洋子 著

これも興味をそそる良いタイトルですね(^^)

子供の頃に、大きくなることへの恐怖を植えつけられ、成長することを止めてしまった少年が、からくり人形の中に入ってチェスをする物語です。

ものすごく美しいチェスをして、しかもめっぽう強いんですが、チェスをする時は決して人形の中から出ることなく、晴れ舞台に立つこともなく深夜のチェスクラブでチェスをし続けます。

欲を出さず控えめで、常に小さくあろうとする少年がとても魅力的です。

私はチェスも碁も将棋もできませんが、チェスの試合を表現する文章がとても美しいので、チェスの知識が無くても映像を見ているようにうっとりできます。

ほんとに、なんでこんなストーリーを思いつけるんでしょうかね~・・・


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今読んでいるのは「隻眼の少女」という本格推理小説です。

久しぶりに本格推理物。

うきうきします。



最近読んだ本

2013年04月17日 23時44分50秒 | 
 私の猫たち許してほしい 佐野洋子 著

先日訪れた京都の古本屋さんで購入したんですが、店主の方が言ってました。
「佐野さんの方は入れてもすぐに売れていくんだよねー」
なるほど、そうでしょうね。
最近亡くなられたという事もありますが、佐野さんの人気はすごいと思いますよ。

私も大好きです。

こういう人は多いでしょうが、私も「100万回生きたねこ」に感動したクチです。
この絵本はバイブルのようなものですね。
結構前に友達にプレゼントでもらったんですが、今もパソコンの横に置いてあります。
ふと気が向いたときにいつでも手に取れる距離に置いておきたい絵本です。

今回読んだ「私の猫たち許してほしい」は、そんな佐野さんのエッセイです。
少女時代~美大生時代を中心に、佐野さんの生活が描かれています。

個性的な友人達との会話。
下宿先の家族のちょっとダークな話。
たぶん、世間からはちょっとずれている不思議な人達の描写など・・・

この本を読むと、北京やベルリン、ミラノなど世界各地に住んだ経験を持つのがわかるんですが、それがなんの前置きも無くさらさらっと描かれているのが良いです。
読んでて、「お、今は北京の話か!」「次はドイツに飛んだー」と、世界中を引きずり回されるのが楽しいです(笑)

時代も順を追うわけでもなく、思いつくまま感じるままに書いたという感じ。

佐野さんの、暖かいかと思えばポンッと突き放されるような文体が心地良いです。

ほんの他愛ない人と人との会話でも、読んでいるうちになぜか泣けてきてしまうんですよね。

時々入ってくる挿絵も素敵です。
佐野さんの描く猫の表情って、なんかすっごい良いですよね~
「これぞ猫!」って感じがします。

猫飼った事ないからよくわかんないけど。




最近読んだ本

2013年03月24日 22時47分19秒 | 
 世界でいちばん長い写真 誉田哲也 著

あのサスペンス「ストロベリーナイト」のシリーズを書いている作者です。
でもこの本はサスペンス色はゼロで、隅から隅まで青春物です。

中学校の人気者と子供の頃から親友で、いつもその後ろにいるような気弱な主人公の宏伸が、ある珍しいカメラと出会って夢中になり、少しずつ変わっていく物語です。

この主人公がほんっとにもう情けなくて!(笑)
言動もはっきりしないし、自分に自信なさすぎでオドオドしてるし、クラスメイトでしっかり者女子の三好さんじゃなくても、「しっかりしいや」と背中に渇を入れたくなるような男子なんです

まぁでもこういう子って多いですよね。
どちらかというとこういう子の方が多いんじゃないか?

大人になった私だって、いまだに自分に全然自信が持てなくてウジウジしちゃうし。
(大人になった分、言う事は言うようになってきたけど(余計な事も・笑))

その親友が転校しちゃってから、前にも増して落ち込む日々を送る宏伸。
そんな彼が、ひょんなことから360度の長~~い写真を撮影できるカメラと出会って、その撮影に夢中になり、すごい写真を撮っちゃったりしながら、少しずつ生気を取り戻していくのが気持ち良かったです。

宏伸が、一面のひまわり畑を撮影する事に成功した描写なんて、すごい感動的でした。
その長い写真が、私の目の前に広げられたような錯覚も感じました。

彼がその後、どんな風に成長していくのかわかりませんが、きっとカメラは手放さないんじゃないかな~と思います。

そうあってほしいです。




さいきん読んだ本

2013年02月20日 22時34分34秒 | 
 禁断の魔術 東野圭吾 著

ガリレオシリーズも8作目になりました。

長編も好きですが、「禁断の魔術」のように短編集になると、初期のガリレオを思い出すのでこれはこれで好きです。

ガリレオ7の「虚像の道化師」が、わりとあっさり読み終わったのに対して、「禁断の魔術」の方は、一作一作のドラマが濃くなっていると思いました。

湯川先生は相変わらずクールですが、最後の「猛射つ(うつ)」では、大切な教え子のために罪を犯すかどうかというところまでいきます。

でも、意外ではないんですよね~。
理系でクールな湯川先生が罪を犯したとしても、なんだかすんなり納得してしまえるくらいには、読者も湯川先生を理解していると思います。

それにしても、草薙刑事は回を重ねるごとに敏腕刑事になっていくなぁ~
初期の頼りなさはどこいった~?
と、ちょっと寂しく思ったりして(笑)



 東京プリズン 赤坂真理 著

これは、読み終わった瞬間に「すごい本を読んでしまった!!」と思った作品です。

「東京プリズン」は、「東京裁判」の事を指しています。
戦争がとっくに終わった1980年代、16歳のマリが留学先のアメリカの授業で「東京裁判」を擬似体験することになります。

日本人でありながら、全然知らなかった日本の戦中・戦後の歴史を学んでいくうちに、マリの心は混乱していきます。

しかも物語は唐突に現実世界から離れて、未来と過去を行き来し、架空の生き物達が出てきたりして、自由に漂っていきます。
この浮遊感がなんとも魅力的でした。

正直、途中までは作者の意図がよくわからないというか、どういう視点で日本の歴史を語っているんだろうと思っていました。
(池澤夏樹さんが好意的な書評を書いているくらいだから、おかしな方向には行かないだろうとは思っていましたが)

でも、その疑問はラストの数ページで一気にクリアになりました。

「どう負けるのかを自分達で定義しなかった事が、私達の本当の負けだった」

この言葉がずっしりと胸に響きます。
その通りだと思うし、とても重い言葉です。
(自分達で定義して再生したのがドイツ・・・という事ですね~)


ところで、本の中にベトナム人の双子が出てきます。
2人は枯葉剤の影響で、生まれながらに腰の部分で結合しているのですが、一人は美しい美青年だけれど知性に欠陥があり、もう一人は老人のように弱っているけれど知性があるという風に描かれています。

この描写を読んだとき、萩尾望都さんの名作「半神」を思い出しました。
もしかしたら、赤坂さんは萩尾さんのファンなのかも?と思ったり
(「半神」は名作です!機会があればぜひ・・・とおススメしたいくらい)



最近読んだ本

2013年02月11日 17時16分05秒 | 
本は引き続き読んでいますが、なかなか更新できず。
ちょっと溜まってきたのでささっと。

 インビジブル・レイン 誉田哲也 著

去年ドラマではまった「ストロベリー・ナイト」の原作シリーズです。
あ、そういえば今ちょうど映画化されている内容になります。

ドラマでは、主役の姫川主任がとにかくかっこよくって、同じ女性ながら「惚れてしまうわ~」って感じだったんですが、本の中でも相変わらずキリッとしていました。

でも、刑事という職に就きながら、ヤクザな人に恋愛感情を持ってしまう情熱的な一面も見せてくれて、人間味に溢れてて「かっこいい」に「可愛い」がプラスされました。

ドラマですっかりファンになった菊田の性格が、原作はなんかちょっと違う感じがするのもまたイイ(笑)

 64(ロクヨン) 横山秀夫 著

こちらは待ってました~!の横山さん。
横山さんの警察物はやっぱり安定の面白さ!でした!

横山さんの描く警察物って、主役が殺人課の捜査一課じゃなくって、人事課とか似顔絵書きの府警さんとか鑑識課とか、どちらかというと刑事物としては「縁の下の力持ち」的な人々にスポットライトを当てるところが好きです。

今回も、主役は「広報課」です。

刑事課からはマスコミに魂を売った裏切り者と嫌われ、マスコミからは何でも隠蔽したがる警察の仲間と非難され・・・・

主人公の広報官も、元は捜査一課のバリバリの刑事だったというプライドがあって、
「自分は刑事課にも広報課にも入れない」
と複雑な立場に悩み続けます。

そのうえ、上司達は自分の立場とか役職とか組織のメンツを守る事だけに必死だし。

本の前半は主に、こういう組織の争いとかが中心に描かれていて、主人公も「組織」にがんじがらめになって身動きできない重苦しさが漂っているし、正直読み進めるのがしんどかったんですが、途中から本を閉じるのがもったいないくらい面白くなります。

それはやっぱり、主人公の目が組織から人間の方に向き始めたから。
最後、本全体にちりばめられた伏線が一つにまとまった時には、すっごい爽快感を感じました。

 光媒の花 道尾秀介 著

短編連作小説です。

ひとつひとつは短い話で、登場人物もその度に変わるんですが、どこかで前の話とつながっているのが面白いです。

単に設定としての面白さじゃなく、本全体が「何かに悩んで迷っている人々の物語」になっていて、人と人とのつながりが切なく描かれているので、「話と話のちょっとしたつながり」が生きているなぁと思いました。

とにかく涙腺がゆるむ本なので、外で読むのは危険かも。
私は電車の中で読んで、一人泣いてる怪しい人になってました

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今は、「東京プリズン」という本と、ガリレオシリーズの「禁断の魔術」を平行して読んでいます。



最近読んだ本

2012年11月28日 23時42分48秒 | 
 神の火 高村薫 著

この本、上・下巻に分かれているんですが・・・「やっと読み終わった!!」と思わず言ってしまいたくなるくらい苦戦しました

いえ、面白くないからじゃないんですよ。
高村薫さんですからね、面白くないわけないじゃないですか~!

でもいくら面白くても、やっぱり高村さんは、なかなかサクサクとは読めない作家さんです

「神の火」が何を指すかと言うと、「原発の火」です。

世界中で原発の是非が問われている今、ぜひ読んでおきたいと思って買いました。

ちなみに私は、3.11前から反原発派だったりしますが。

舞台は大阪と福井。
主人公の島田は天王寺で働く普通のサラリーマンですが、過去に「スパイ」をしていたという経歴を持っています。
そんな彼が「良」というロシア系の青年と出会ったところから、足を洗ったはずの闇の世界にまた引きずり込まれていきます。

原発テロに関する文書を巡って、息が詰まるような展開になっていきます。

自分の生きたい人生を生きられず、いつまでも闇の世界と手を切れない主人公の未来が気になって、読むのがしんどくても最後まで読みきった感じです。

高村さんの作品を読むといつも思いますが、登場人物達がすごく生々しくて密度が濃いんですよね。
だからこそ読むのがしんどかったりもするんですが、やっぱり止められないですね。

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今読んでいるのは「インビジブルレイン」。
ドラマがすごい面白かった「ストロベリーナイト」のシリーズです。
姫川主任、相変わらずかっこいい~