儚い羊たちの祝宴 米澤穂信 著
米澤さんは、読むたびに作風や文体がコロコロ変わるので、いつも新しい驚きを与えてくれます。
この本も、米澤さんの意外な魅力に気付かせてくれた本でした。
今までに読んだ米澤さんの本は、現代の若者を扱った物ばかりだったんですが、この物語ではもっと昔の日本が舞台になっています。
いつの時代かは、はっきり書いていないのでわかりませんが・・・
「お嬢様」とか「使用人」とか「お屋敷」とかが出てくる時代です。
この本は、5つの短編からできていて、それぞれは独立した話になっているんですが、どの話にも「バベルの会」というキーワードが出てきます。
「バベルの会」は、お金持ちのお嬢様たちが通う大学にある文学サークルの名前で、5つの短編に登場するお嬢様たちが所属しているという設定になっています。
何不自由なく育てられてきたお嬢様と、常に影のように付きそう使用人。
大学まで行かせてもらうお嬢様が、いつも幸せと言うわけでもなく、年中休みも無くお嬢様に尽くす使用人が、決して不幸を感じているわけでもない・・・という、複雑な関係がなんだか不気味です。
そして、贅沢で華やかな生活の中でゆがんだ感情が渦巻いていって、ついには悲惨な事件を引き起こしてしまう過程が怖いです。
文章はすべて「お嬢様」または「使用人」の立場から一人称で書かれています。
そのせいで、言葉使いがとても美しくて読んでいて気持ちが良いです。
まぁ、その気持ちのよい美しい文章が、怖さをいっそう引き立たせているんですが・・・
どの話も最後に驚きの展開が待っていて、すごく面白かったです。
私は特に「玉野五十鈴の誉れ」というお話が好きです。
とにかく、細かく張り巡らされた伏線が芸術的なんです。
ラストは衝撃で背筋がぞくっとしました。
だけど、ただ単に怖いだけじゃなく、読んだ後に心が切なくなる短編です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次は、高村薫の「神の火」を読みます。
上下2巻だから、結構時間かかりそう。
米澤さんは、読むたびに作風や文体がコロコロ変わるので、いつも新しい驚きを与えてくれます。
この本も、米澤さんの意外な魅力に気付かせてくれた本でした。
今までに読んだ米澤さんの本は、現代の若者を扱った物ばかりだったんですが、この物語ではもっと昔の日本が舞台になっています。
いつの時代かは、はっきり書いていないのでわかりませんが・・・
「お嬢様」とか「使用人」とか「お屋敷」とかが出てくる時代です。
この本は、5つの短編からできていて、それぞれは独立した話になっているんですが、どの話にも「バベルの会」というキーワードが出てきます。
「バベルの会」は、お金持ちのお嬢様たちが通う大学にある文学サークルの名前で、5つの短編に登場するお嬢様たちが所属しているという設定になっています。
何不自由なく育てられてきたお嬢様と、常に影のように付きそう使用人。
大学まで行かせてもらうお嬢様が、いつも幸せと言うわけでもなく、年中休みも無くお嬢様に尽くす使用人が、決して不幸を感じているわけでもない・・・という、複雑な関係がなんだか不気味です。
そして、贅沢で華やかな生活の中でゆがんだ感情が渦巻いていって、ついには悲惨な事件を引き起こしてしまう過程が怖いです。
文章はすべて「お嬢様」または「使用人」の立場から一人称で書かれています。
そのせいで、言葉使いがとても美しくて読んでいて気持ちが良いです。
まぁ、その気持ちのよい美しい文章が、怖さをいっそう引き立たせているんですが・・・
どの話も最後に驚きの展開が待っていて、すごく面白かったです。
私は特に「玉野五十鈴の誉れ」というお話が好きです。
とにかく、細かく張り巡らされた伏線が芸術的なんです。
ラストは衝撃で背筋がぞくっとしました。
だけど、ただ単に怖いだけじゃなく、読んだ後に心が切なくなる短編です。
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次は、高村薫の「神の火」を読みます。
上下2巻だから、結構時間かかりそう。