旅の途中で

絵のこと音楽のこと本のことetc・・・趣味全開でスケッチスケッチ!

最近読んだ本

2013年07月30日 22時42分02秒 | 
 永遠の0 百田尚樹 著

★大人気の本ですが、批判しています。
大好きな方は読まないで下さいね。










ベストセラーになり、映画化もされた話題作です。
知り合いが読んで「すごく良かった!」と大絶賛してして気になっていたところ、たまたま友人が持っていたので借りて読んでみました。

貸してくれた友人にはとっても申し訳ないんですが・・・(汗)
正直、私はこの本はダメでした。

太平洋戦争中、零戦の操縦が天才的に上手いが、何より「死」を恐れる宮部という軍人が、なぜ最期は特攻隊として亡くなる事になったのか。
その秘密を、宮部の孫にあたる健太郎とその姉(フリーのジャーナリスト)が、宮部を知る元軍人達に会って話を聞き、探っていくという物語です。

最初読み始めた時は、面白いテーマだなと思いました。
「死にたくない」と言っただけで非国民扱いされる戦争中に、堂々と「死にたくない、絶対に生きて妻子の元に戻る。」と誓う軍人の話って、なかなか面白い方向に転がりそうで。

だけど、読み進めていくうちに、激しい違和感を感じてしまいました。

確かに、零戦の空中戦や悲惨な戦争体験の描写は迫力があって、ぐいぐい読ませる力があると思います。
私もつい引き込まれて読んでいたし、悲しい場面では涙が止まらなくて大変でした。

ただ・・・最後までこの本を貫く「立派に戦って死んだ人達」「勇敢で男らしかった」「特攻隊は無駄死じゃなかった」「サムライ」というスタンスが、どうも共感できませんでした。

そんな単純な物ではないはず。
こんな厳しい世の中だから、日本を持ち上げる本にみんな飛びつく気持ちはわかります。
が、やっぱりそこは一歩引いて、冷静にならないと危険な道に進んでいきそうです。
(ていうか、すでに進みつつあるんですけど。)

あと、現代人の代表である健太郎とその姉に、全然魅力がなかったのも残念。
戦争体験の話に簡単に感化されすぎ(^^;
姉は一応「ジャーナリスト」なのに、なにかにつけて考えが甘すぎるし・・・

エンターテイメントとしては読めますが、みんなが大絶賛するような名作というのは、ちょっと言いすぎだなと思いました。

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今は、文庫化を首を長くして待っていた、米沢穂信さんの「折れた竜骨」を読み始めています。
まだ最初の最初ですが、続きが楽しみ~(^^)





最近読んだ本

2013年07月16日 22時41分19秒 | 
 プロムナード 道尾秀介 著

新聞や雑誌などに掲載された、道尾秀介さんのエッセイを集めた本です。

普段の何気ない風景や人との会話などが、道尾さんにかかるとちょっとした短編風になってしまうのがすごい。

道尾さんの感受性豊かな文章に触れてみると、ああいう本を書くのも納得です。
「お?」と思う瞬間が、人よりも多いんでしょうね。

それにしても面白いなと思ったのが、バーや飲み屋で色んな面白い人達と交流している事。

もともとお酒がお好きだという事で、一人でふらっと「行きつけ」(この響きがかっこいい)のバーや飲み屋に行くみたいですが、一人で飲みに行くと、そんなに色んな人達と知り合いになれるもんなんですか

でも確かに私の周りにも、一人で飲み屋に行ってそこで人脈を広げてる人、います。

いいなーいいなー
でもそんなにお酒強くないし、一人で飲みに行くってなかなか勇気いるー(笑)

「作家」の道尾さんにとっては、もはや省くことのできない大切な空間になっているのかもしれませんね。

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今は、有川浩さんの「旅猫リポート」を読んでいます。

これねー・・・かなりグッと来ます。
すごいです・・・






どうかしてる

2013年07月09日 23時36分59秒 | そのほかのこと
最近、ワナワナするようなことがありました。

世間では、そろそろこの話題も下火になっていると思いますが。
私もこのままスルーしようかと思ったんですが、かなり怒ってしまったので、やっぱりたまには怒りを吐き出すのも良いんじゃないかと思って、今さら蒸し返します。

私は別に、安藤美姫さんのファンではないです。
そんな私でも、さすがに最近の美姫ちゃんを巡る騒動には、激しく怒りを感じました。

私は、彼女が妊娠したっていうニュースを見た時には「そうなんだーおめでとう。」と思ったし、「シングルマザーになる。父親は公表しない」と聞いた時も、「ふーんそうなんだー」としか思いませんでした。

だから、世間があんなに過剰反応をしたことにびっくりでした。

マスコミが父親を知りたがっていろいろ探るのには、当然不快感を感じましたし、文春のとんでもないアンケートは、人権侵害以外のなにものでもないと思います。

けどまぁ、ワイドショー関係の低レベルっぷりは、今までのいろんな芸能人のスキャンダルでわかってた事でした。
うんざりしますが。

だから、それにもましてびっくりしたのが「世間の声」でした。

父親の名前を明かさない事や、シングルマザーになる事を責める声を聞いて、
「うそ~ん、これが21世紀の日本ですか~;;」と、がっくりきました。

これだけ性別や年齢や色んな事情を超えた、色んな形の愛情が描かれるようになってきても、まだまだダメなんですねーいろんな意味で・・・。

彼女を責める声の中に、「大騒ぎになることはわかってたんだから、最初から何も言わなければよかったのに」という意見がありましたが、まさか彼女も、こんな個人的な事情にこんなに干渉されるなんて、思いもしなかったんじゃないですか(^^;

同情します・・・


結局私の怒りは、

「彼女がシングルマザーになろうがなるまいが、父親を公表しようがしまいが、そんなの彼女の勝手やろ。いろんな選択があるんだからほっといたれよ!」


って事です・・・

とても共感できる記事があったので貼っておきます


ご静聴ありがとうございました・・・






最近読んだ本

2013年07月04日 21時32分13秒 | 
 古典部シリーズ 米澤穂信 著

最近はまっている米澤さんの作品です。
「古典部シリーズ」という通り、とある高校の「古典部」所属の個性的な面々が、学校生活の中で起きるちょっとした謎に挑んでいく物語をシリーズ化しています。

多分今のところ文庫化されているのは

「氷菓」
「愚者のエンドロール」
「クドリャフカの順番」
「遠まわりする雛」
「ふたりの距離の概算」

の5冊だと思います。

主人公は、折木君という男子学生なんですが、これが「やらなくていいことはやらない」を貫く省エネ男子。
古典部も入る気はなかったのに成り行きで入ってしまい、入ったら入ったで何もせずに本を読んでいるだけというヤツ。

ただ、謎解きの才能がすごいため、省エネしたいのに何かとトラブルに巻き込まれていくのが面白いです。
他のメンバーもみんな、超個性的で可愛いヤツらなので、すぐ感情移入できました。

あくまでのんきな学生達の物語なので、殺人や傷害といった物騒な事は起こりませんが、普通なら見逃してしまうような小さなヒントから、見事な推理をしていく折木君の名探偵っぷりにハマります!

これからもまだ続いていくのかな?ぜひ続きを読みたいです。

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米澤さんといえば、7月中旬に「折れた竜骨」が文庫化されるんですよね~。
これも楽しみだな~