♦️383『自然と人間の歴史・世界篇』キュービズム(ピカソ)

2018-06-03 10:01:57 | Weblog

383『自然と人間の歴史・世界篇』キュービズム(ピカソ)

 ピカソ(1881~1973)といえば、生涯に5万点からの、しかも色々なジャンルの作品をつくったという。さまざまな技法を考案し、試した。その中で最も著名な絵画としては、「アヴィニョンの娘たち」と「ゲルニカ」ではないだろうか。
 まず、「アヴィニョンの女」(1916年に最初に展示される)は、それまでの絵画に革命をもたらした。「キュービズム」と称されているとか。何でも、バルセロナのアヴィニョン通りに存在した売春宿で働く女たちを描いたとか。
 何しろ、この絵は構図からして、変わっている。人物の描き方が、実際の姿だというよりは、造形的だ。まるで、切り貼りですらあるのではないかと見紛うばかりだ。挑戦的というか、新しい絵画をつくってゆくのだとの決意が感じられる。物事の形というのは、観察者が観ているうちに、ともすれば崩れていくものだが、この絵からは一瞬にして目に焼き付いてしまうようなのだ。
 「ゲルニカ」(1937)の絵の大きさは、縦3.5メートル、横7.8メートルあるという。全体に灰色のグラデーションが施されている。
 この絵のモチーフとしては、時のスペインのフランコ軍事政権をファシスト国家ドイツが支援していた。そのドイツ軍による空爆の対象の一つになったのが、バルセロナ地方の都市ゲルニカなのであった。ピカソは、これの報を聞き及ぶと、創作を始めたともいう。、出来上がった画面に揺るぎなく、たとえようのない程の憤怒が共鳴し合っているかのようだ。
 この絵の変わったところでは、ランプを持っている女は中央に、左端には泣き叫ぶ女といった具合だ。どちらの女性も、創作の場におしかけてきた二人の親しい女性に取材してのことだという。

(続く)

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