まさおレポート

レアメタル レアアースとボリビア・ウユニの塩湖

2015/09/26 追記 この記事を書いてからすでに5年、国内で海水からリチウムの抽出に成功とある。着々と進んでいるようだ。ウユニもMOUが締結されていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101020-00000506-san-bus_all
中国が日本に対する輸出規制を行ったのに引き続いて欧米に対しても同様の輸出規制をかけてきた。悪質なことに、中国政府は輸出規制そのものを否定している。国に対して差別を行わないというWTOルールの違反であり、政治が経済と独立していないことに対する諸国の落胆も引き起こしている。日本に対しては尖閣問題に対する報復であり、欧米に対しては劉氏のノーベル平和賞受賞問題に対する報復だろう。この大人げない露骨な報復の連続は背景に何があるのだろうか。

いずれにしてもこうした輸出規制があると世界は驚くことになるが、日本の産業界には1年の備蓄があるという。このあたりさすが日本の産業界はすばらしい先見の明をもっている。本来は政治でもこうした国家レベルのリスクに対処する施策を打っていなければならないのだが。

このレアメタル危機でボリビアのウユニ塩湖を思い出した。旅行は既に3年前になる。見渡す限り白一色の氷の世界と見間違える広大なこのエリアはリチウムなどを豊富に含むのだという。(なぜかリチウムはブラジル、アルゼンチン、ボリビアなど南米に多い。)

この塩湖の水を一年ほど乾燥してリチウムを取り出す。しかし住友商事とボリビア政府との交渉は必ずしも楽観視できない。中国が衛星の無償打ち上げを提案しているという。日本もトヨタが現地工場を建設することを要求されている。旅行の当時はおそらく静かに交渉が進んでいたのだろうが、この地は現在レアメタル争奪戦で熱い注目を浴びている。

海水からリチウムを取り出しプラントが2004年から稼働しているというが、その後どうなっているのだろう。おかしな事業仕訳で予算を削られたりしていないだろうか。研究が進めば日本は自給できるという。なんとも素晴らしい。

さて、ボリビアのウユニ塩湖だが、3年前は塩湖一帯を車で走っても時折観光で行きかう車に出会うくらいで、人気はほとんどなく原始の風景の趣を保っていた。一旦開発が始まるとこの塩湖の神聖で荘厳な風景はまたたくま破壊されてしまうのだろう。あの風景を見ておいてよかった。

 

追記 2015/09/26 国内で海水からリチウムの抽出に成功とある。着々と進んでいるようだ。

2014年02月12日 07時00分 更新

海水からリチウムの抽出に成功、日本の原子力研究機関が世界初
電気自動車をはじめ蓄電池の分野で利用量が急増しているリチウムはレアメタルに分類されていて、日本では100%を輸入に頼っているのが現状だ。その貴重なリチウムを海水から分離・回収することに世界で初めて、日本原子力研究開発機構が成功した。

一方、ウユニ塩湖のリチウム等の資源の産業化に向けた研究及び開発に関する覚書もこの記事を書いた翌月2010年11月10日に結ばれた。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC:理事長 河野 博文)は、11月9日、ボリビア多民族国の首都ラパスにおいて、ボリビア多民族国鉱山公社(COMIBOL)と、ウユニ塩湖のリチウム等の資源の産業化に向けた研究及び開発に関する覚書(MOU)に署名しました。住友商事出田理事、三菱商事今川理事も同席。

 

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