まさおレポート

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スマホは20年前のスパコンを超えていると述べる坂村氏はTRONを無償で提供した 

2019-02-24 | 通信事業 NTT・NTTデータ・新電電

 

 

ムーアの法則は、集積回路上のトランジスタ数は18か月(=1.5年ごとに倍になるだが観念でわかっていても今ひとつイメージがしづらい。しかし次の現代ビジネスの対談で合点がいった。「20年前のスーパーコンピュータは、いまのスマホ以下です。」との坂村氏の発言で、今から20年前のスパコンの大きさとスマホが頭に鮮明に浮かんだから。正確には20年前のスパコンではなくて30年前のスパコンを堂島電電ビルで見た記憶があるばかりだが、イメージとしてはそれほど離れてはいないだろう。

シマジ: 20年前、スーパーコンピュータはこれからまだまだ活躍すると、教授は仰っていましたが、いまはもうスーパーコンピュータはそんなに進歩がないというか、人気がなくなってしまったんですか。

坂村: いやいや、そんなことはないですよ。いまのスーパーコンピュータは、20年前のスーパーコンピュータとは桁違いの、もの凄い性能を実現していますから。

シマジ: 100倍ぐらいですか?

坂村: そんなレベルではありません。もう、それこそ何万倍という進歩です。20年前のスーパーコンピュータは、いまのスマホ以下です。

 ついでに次の会話も参考になる。

ボブ: そういえばこの間、スコットランドに行ったときにみたんですが、大麦の収穫機がGPSを使った自動運転で動いていました。

シマジ: コンバインに人が乗っていないの?

ボブ: 何かあった時のために一応乗ってはいるんですが、その時、乗っている人は本を読んでいました。

シマジ: それはすごい。本当に自動運転なんですね。

 極めつけは坂村氏はビル・ゲイツに匹敵するほどのOSを無償でIEEE(米国電気電子学会)にあげているところだ。

シマジ: 教授は「TRON」の開発を評価されて武田賞ももらっていますよね。

坂村: ええ。TRONというのは、わたしが作ったリアルタイムOSのことなんですけど、じつはアメリカにあるIEEE(米国電気電子学会)というところがちょうだいというから、あげちゃったんです。その代わりTRONは国際標準になりました。

シマジ: 坂村教授が偉いのは、お金を取らないであげてしまう気前のよさですね。

坂村: 元々お金を取ってなかったから、あげてしまっても損はなかったんです。むしろ国際標準になったので、使う人が増えたことで、勝手に宣伝もして広めてくれますし、何も損はありません。やはりアメリカは力を持っていますね。日本人が作ったOSで世界標準になったものなんて、ほかに例がありませんから、名誉をいただいたということで、OKです。

シマジ: 少しでもお金を取っていたら大金持ちになっていたでしょうに。

坂村: いやいや、最初から無料にしていたのがよかったんです。もしお金を取っていたらこんなに広がらなかったかもしれません。いまやいろんなところに使ってもらっているので、コンピュータのデザイナーとして、少しはやれたかなという自負はありますけどね。

参考

1984年からTRONプロジェクトのリーダーとして、まったく新しい概念によるコンピュータ体系を構築して世界の注目を集める。現在、TRONは携帯電話をはじめとしてデジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御と世界でもっとも使われている。IoT環境を実現する重要な組込OSとしてTRONは2018年IEEE(米国電気電子学会)の標準OS・IEEE2050となった。

さて、世間では孫正義氏がトロンの一種Bトロンの日本への導入を阻止したという都市伝説にちかい話が以前から存在する。これは本当なのだろうか。大下氏のノンフィクションからその話が広まったようだ。坂村氏自身も大下氏のノンフィクションでそのことを知ったと述べているのだがどうも本質が語られていない気がする。眉唾の気がする。本当のところはどうなのだろう。そのうち本人の口から明かされることになるだろうか。

参考

「(学校にパソコンを配布するというプロジェクトには)日本独自のソフトを使いたい、という官庁の意図が働いている。国外のものを受け入れようとしない、その思想が間違っているし、そのケツの穴の小ささが許せない」

「あなたが提唱しているTRONの大義名分、車のハンドルやブレーキと同じように、パソコンの操作性やソフトの互換性を統一するのは分かります。 そしてアメリカの技術ばかりを受け入れていることに忸怩たる思いがあって、日本が開発した技術を広めたいという気持ちもわかる。 それは、1つの正義です。   ただし、狭い正義です。 日本だけで通用して世界で通用しないのであれば、全くの鎖国に過ぎないのではないですか。」 

日の丸OSとして、1984年に東大理学部 坂村健が提唱したもので、各メーカーの作っているパソコンに組み込めば、各メーカーによる操作性の違いや、互換性のないソフトは使えない、といったパソコンの大きな欠点を克服できる。 パソコンメーカーをはじめとした関連企業は、このシステムを日本人が考えたオペレーションシステム、日本が誇る「日の丸OS」として、迎え入れた。 95に及ぶ関連企業が参加し、計画推進母体であるTRON推進協議会を作り、パソコンの心臓部にあたるMPUの開発から、パソコン、、大型コンピュータまでを含めた規格統一、それらをつなぐための通信ネットワークの構築を目指していた。」

「(学校にパソコンを配布するというプロジェクトには)日本独自のソフトを使いたい、という官庁の意図が働いている。国外のものを受け入れようとしない、その思想が間違っているし、そのケツの穴の小ささが許せない」

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