まさおレポート

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奄美紀行 田中一村肖像画原画に出会う。

2024-11-02 | 紀行 日本

奄美では蝶は霊だと。

Tさんのお家にあった田中一村の肖像画の原画。なんと奇遇な事だ。東京都美術館で開催中の一村展で印象に残っていた作品。Tさんに似ている。かつて奄美に「なんでも鑑定団」がやってきて出品したとのお話を伺った。鑑定額は250万円だった。

同じくTさんのお家にあった田中一村の肖像画の原画。一村は千葉で個展を開くために肖像画を描いて金を貯めたが個展は叶わなかった。

奄美の本屋で購入した小説・田中一村。2024年9月10日とあるので出版されたばかりの本だ。Tさんに勧められ、さてどんなものだろうと買ってみたが実に興味深い内容で一気に読んでしまった。

奄美では変人の絵描きで通っていたとか。子供がからかって石を投げることもあったらしい。菜食主義者で野菜を作り5年間で60万円を貯めそれを元に三年間働かずに絵に没頭した。

絵絹一疋のロールは23メートルでこれを5万円で谷中の得應軒から仕入れ13作を書く目標にした。画材も最高のものを使い、3年間の家賃15万円を要した。一月1万円程度の生活費で暮らしたことになる。昭和40年代の前半だがそれにしても大変な困窮ぶりだ。

自給自足で菜食主義だからなんとかなったんだろうが写真の痩せ方はやはり栄養失調のきらいがある。69歳で逝去。

気心の知れた人から絵が欲しいと言われて血相を変えた話はなるほど彼の気性を表している。

絵に対する執念は鬼気迫るものがある。最愛の姉が危篤で千葉に帰るもこのまま看病を続けては絵が完成できない思いにかられ、悩みから姉の首を締める妄想を抱き、その邪心ゆえに自分は天国には行けぬものと思い定めていた。

 


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