LMM(大規模言語モデル)の進化は、特に専門分野ごとに特化した訓練と進展が期待されている。これにより、医療、法律、エンジニアリング、教育、アートの各分野での専門知識を持つLMMが得意な機関で開発される。一般向けではない開発競争が激化するか。
医療分野では、LMMが最新の研究結果や治療法を基に診断を支援し、医師の判断を補助することができる。しかし人命にかかわる判断は熟練の医師が当否を判断することは絶対に必要だ。だから医師の仕事は無くなることはない。
法律分野では弁護士の業務を大幅に効率化することが期待される。裁判官が提出されたAI文書をチェックする能力が特に求められるようになる。弁護士も同様使いこなしの能力が重要になる。裁判風景が変わってくる。
「AI提出証拠1号につき、適切と認めますか」裁判官
「これこれにおいて法律解釈に違和感があり認められません。反論は当方の提出文書AI2号です」弁護士
教育分野においては、個々の学生に最適化された学習プランを提供し、特に英語学習ではAIを相手に(例えばスティーブ・ジョブズを仮想相手として彼にそっくりな音声で英会話を学ぶなど教育の質を向上させることができる。歴史では地図や写真動画をフル動員した学習が可能になる。数学でもその子にあった教え方が工夫されるようになり、楽しみな世界が待っている。教師はその流れの妥当性をチェックし観察するだけになる。
ロボット技術はLMMに比べるとまだまだ発展途上にあり、たとえば、家庭用ロボットが未だ洗濯物を畳むといった日常のタスクをこなすことはまだ難しい。
一方でロボットが自分で自己の部分ソフトを改造していき、最後にはロボットが独立した行動を起こすことも可能になる。これは非常に危険な面を持つため早々に国際的な倫理規定が必要になる。
得失、リスクのとなりあった現状のようだ。
自動運転車が事故を起こした場合の責任の所在や、ロボットが人間の労働を代替することによる様々な倫理的・法的課題が浮上し倫理的なガイドラインや法的枠組みの整備がより一層急務となるが果たして追いつけるのかしらと心配になる。
というのも法律が常に世間の後追いになることは誰しも周知の事実であり、これと同様の心構えで後追いのAI改造ではは取り返しのつかない自己や事態を引き起こしてしまう。全く別の心構えつまり危機の先取りと対策がスパコンのシミュレーションで必要になる。
(法律はふんわりとした表現で将来に対処できる柔軟性を持たせているがロボット倫理ではそれは難しい)
自動運転車は、センサー、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、AIの高度な技術を組み合わせることで、交通環境を認識し、適切な判断を下す技術の進展により、人間の運転ミスを減らし、交通事故を大幅に減少させることが期待される。しかし、完全自動運転の実現にはまだ多くの課題が残されている。
トロッコ問題は制御不能なトロッコが進行中で前方に5人の作業員がいて、スイッチを操作してトロッコの進行方向を変えることができるが、その変えた先には1人の作業員がいる。スイッチを操作することで5人を救うことができるが、1人を犠牲にすることになる。このような状況で、どのような選択をするべきかという問題で自動運転車でも同様の状況が発生する可能性がある。
ブレーキが故障した自動運転車が前方の歩行者に衝突する危険がある場合、車が進行方向を変えて別の場所に衝突することで、犠牲者を最小限に抑える判断をする状況も十分にあり得る。
あるいは全速力で歩行者が車道に入った場合に急ブレーキでは車が点灯するあるいはバッグが開いて危険な状況になる。このような状況において、プログラムされた自動運転システムがどのように行動するべきかは、極めて難しい倫理的課題を残す。現代では事故保険の問題も絡まってこれまで表立って経験したことのない課題を引き起こす。欧米の映画ではこのような先取りした事例が参観される。(例えばSUIT)まだまだ熟していないので右往左往する事態になる。
自動運転システムの意思決定プロセスを明確にすることや技術開発者、倫理学者、法学者、一般市民など、さまざまなステークホルダーが参加し、社会的合意を形成すること、事故における責任の所在や、倫理的な判断に基づく行動に対する法的な枠組みを整備すること、事故を未然に防ぐための技術的対策を強化し、可能な限り倫理的ジレンマに直面しないようにすることなど考えることはたくさんあるが要は人の側に人命に対する倫理的対応力、教育が最大の問題になるだろう。スーパーコンピュータを使ったシミュレーション研究も急務だろうしモデル地区での大規模学習が必要になる。どうもこの展開が遅れているらしい。特に日本では。
イーロン・マスクは長年にわたり、AIの危険性について警鐘を鳴らしてきました。彼は、AIが制御不能になるリスクを強調し、特に「超知能AI」が人類に対する潜在的な脅威となる可能性を指摘している。彼の主張は、AIが自己進化を繰り返すことで、最終的に人類の制御を超える知能を持つようになる可能性があるという。その通りだろう。
マスクは2017年の全米知事協会で、「AIは人類文明にとって根本的なリスクだ」と述べ、規制の必要性を訴えた。彼はツイッター(現在X)で「AIは北朝鮮よりも危険だ」とも発言している。
マスクのテスラは、自動運転技術の開発においてテスラの自動運転システム「Autopilot」は完全自動運転に向けた開発が進行中だが同時に自動運転技術に関する規制や倫理的な課題についても言及しており、これらの技術が安全に運用されるための枠組みが必要だと強調している。
ビル・ゲイツはAIの利点とリスクの両方を認識し適切な規制がなければ社会的な不平等が拡大する可能性があると指摘している。AIの発展が管理され、倫理的なガイドラインに従うことが重要だと述べている。まさに倫理学者や哲学者法学者などの出番となる。
故スティーブン・ホーキングも「AIの完全な発展は人類の終焉を意味する可能性がある」と語り、AIが自律的に進化し、人間の知能を超えることによって制御不能になるリスクを指摘した。
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AIが搭載された自律兵器が戦争に使用されるリスク。
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AIが多くの仕事を自動化することで、失業率が増加し、経済的不平等が拡大するリスク。
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プライバシーの侵害: AIが収集する膨大なデータが悪用され、個人のプライバシーが侵害される。これはすでにLINEのデータ流出をはじめとして出始めている。国民の感度ひいては政治家の感度が今後問われる。
「Autopilot」と「Full Self-Driving(FSD)」機能で注目され、2024年中にはさらに多くのユーザーにFSDが提供される予定。
Googleの親会社Alphabetの子会社Waymoは完全自動運転車の開発を進めており、特に「Waymo One」という自動運転タクシーサービスを展開している。
すでにアリゾナ州フェニックスで一般市民向けに提供されており、今後さらに多くの都市で展開される予定。Waymoの技術は、LIDAR(レーザーセンサー)を使用して周囲の環境を詳細に把握することで、高い精度の自動運転を実現している。
GMの子会社Cruiseは「Cruise Origin」の開発中でハンドルやペダルがなく2023年にはサンフランシスコでテストが行われ、商用サービスの開始に向けた準備が進められている。
アマゾンは2020年にZooxを買収し、完全自動運転のシャトル車両を開発しライドシェアリングサービスを目指している。
アップルも「Project Titan」プロジェクトを進行中。
NVIDIAは、自動運転用AIプラットフォーム「DRIVE」を提供し自動運転車のリアルタイムな意思決定をサポートし、多くの自動車メーカーに採用されている。2023年には、DRIVE Orinプロセッサが発表され自動運転システムの開発が可能となった。
自動運転車は多大な資源を要す。
マサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア大学バークレー校は、深層学習アルゴリズムを用いて、自動運転車が周囲の状況を認識し、他の車両や歩行者の動きを予測する研究を行っている。CNN(畳み込みニューラルネットワーク)やRNN(再帰型ニューラルネットワーク)。
ミシガン大学のMcity、カリフォルニア大学サンディエゴ校の加速研究プログラムは現実の道路環境を忠実に再現するシミュレーション環境を開発して自動運転車のアルゴリズムを安全かつ効率的にテストできる研究。
ハーバード大学、オックスフォード大学は、自動運転車が緊急事態にどのように判断するべきかについての倫理的な研究を。特に、トロッコ問題に関連するシナリオを研究し、自動運転車が倫理的に正しい意思決定を行うためのフレームワークを提案。
スタンフォード大学、ケンブリッジ大学の法学部では、自動運転車に関する法規制の分析や提案。事故時の責任問題やデータプライバシーの取り扱いに関する研究。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カーネギーメロン大学は、車車間通信(V2V)および車両インフラ通信(V2I)のプロトコルとアルゴリズムを開発し、自動運転車同士がリアルタイムで情報を交換し、交通の安全性と効率性を向上。
トロント大学、コーネル大学は、自動運転車が人間のドライバーをどのようにモニタリングし、適切なタイミングで介入する研究。ドライバーの注意力や疲労度をリアルタイムで評価する技術。
アメリカは、州ごとに異なる規制が存在するため、統一的な連邦規制の整備が課題となっている。最近では連邦レベルでの取り組みも進んでおり、連邦自動車安全標準(FMVSS)や連邦運輸省(DOT)によるガイドラインが策定されている。
アリゾナ州フェニックス、カリフォルニア州サンフランシスコなどでは、WaymoやCruiseなどの企業が公道でのテストを実施。
アメリカ政府は、DARPA(国防高等研究計画局)を通じて自動運転技術の研究に資金を投入。DARPAグランドチャレンジやアーバンチャレンジなどの競技が、自動運転技術の進化に大きく寄与。
中国は「中国製造2025」、「新世代人工知能発展計画」で自動運転技術の開発を推進。2020年には、自動運転車に関する初の国家標準(GB/T 40429-2020)が制定。
北京、上海、深圳などの主要都市で自動運転車のテスト。百度「Apollo Go」タクシーサービスは、一般市民向けに展開されており、実用化に向けた大規模な実証実験が行われている。
自動運転車向けのインフラ整備にも力を入れており、5Gネットワークの展開が進んでいる。
日本「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」を推進。2020年には、自動運転車の公道走行を認めるための改正道路交通法が施行。
東京オリンピック・パラリンピック期間中、選手村で自動運転シャトルが運行されました。また、筑波市や北海道札幌市などでの公道実証実験が進められている。
トヨタや日産などの大手自動車メーカーと連携し産業技術総合研究所(AIST)や国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)。
EU「Connected and Automated Driving Roadmap」を策定。欧州委員会は、各加盟国間での協力を強化し、共通のガイドラインを提供。
ドイツ、フランス、スウェーデンで自動運転車の実証実験。ドイツのハンブルクやフランスのパリでは、大規模なテストベッドが設置され、自動運転車の公道試験が実施。
EUは、Horizon 2020などの研究プログラムを通じて、自動運転技術の研究開発に資金を提供。
韓国「未来車産業発展戦略」2020年には、自動運転車の公道試験を支援するための法整備が行われた。
韓国ソウル市内や大田市などで自動運転車の実証実験が行われ現代自動車が自動運転技術の実用化に向け進行中。
研究開発とインフラ整備
韓国は5Gネットワークの展開が進んでおり、自動運転車の通信インフラが整備されている。
AIと心の問題には以下のような取り組みが行われている。
乗客や周囲の人々の感情や心理状態を正確に認識する感情認識技術の進展により、顔認識や音声認識を活用して、乗客の安全や快適性を向上させる取り組みが行われている。乗客が不安や興奮している場合には、自動運転システムがその情報を考慮に入れて運転スタイルを調整。
トロッコ問題や避けられない衝突の際にどのような選択をすべきか、あるいは利益とリスクのバランスをどのように考慮すべきかなど、倫理的な意思決定に関する枠組みが議論されている。
自動運転車が収集する大量のデータはデータの匿名化やセキュリティ対策が強化され、個人情報が保護されるようなシステム設計が求められている。特に、顔認識や位置情報などのデータ扱いが重要。