追記メモ
文春(6月22日号)の第1弾 木原氏には愛人と子どもがいて二重生活を送っている 今年の3月、愛人の子どもの誕生日に東京ディズニーランドへ行き、その後、愛人たちとホテルで食事をして、3人はそのホテルに泊まったという。 次の日は朝早くからディズニーシーに行って、午前10時半過ぎに母子を残して、木原氏は官邸に。
愛人は元銀座のホステスで、47歳。シングルマザーで仕事はしていない 彼女の住んでいるマンションは推定で月の家賃が30万円。車もアウディからベンツに乗り替え、海外へもよく出かけ、ファッションも一流好み。 当初、自分の子どもではないと主張していた木原氏だったが、その後、「自分の子どもだが認知はしていない」ことを認めた。
週刊新潮(2021年12月23日号)でも報じられた 木原の代理人弁護士は文春に対して、愛人の自宅やディズニーランドに行く時には、「都度妻の了承を得てのことであって、なんら不適切なことはありません」
文春(7月13日号) 2006年4月10日に不審死を遂げたのは風俗店勤務の安田種雄氏。彼の当時の妻こそX子(木原氏の本妻)だった。
『居間のドアも開いていて、一歩足を踏み入れると、そこに息子の頭があったのです。「おい、この野郎。こんなところで寝たら風邪ひくぞ」と身体を起こそうとしたとき、足の裏を冷たいものが伝った』(父) 部屋の照明のスイッチを手探りでつける。眼に飛び込んできたのは血の海。そこに息子の亡骸が溺れていた。血糊に染まったタンクトップとカーゴパンツ。血飛沫は天井に達している。仰向けに倒れた安田さんは目を見開き、息絶えていた。
(管轄である)大塚署の警察官が駆けつけ、私は一階で事情聴取を受けました。刑事さんに「どこにいるんですか」と聞くと、「本人は二階の奥の寝室にいたそうです」
X子は警察の調べに対して、『私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました』と供述した。
『ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた。死因は出血死。さらに安田さんの体内からは致死量の覚醒剤が検出された』(捜査関係者)」
警察は覚醒剤乱用による自殺として片づけ、捜査を終了しようとしていた。 しかし、自殺にしては不審な点がいくつもあったと実父が語る。
「二階のテーブルと作業台の上で覚醒剤が入った約二センチ四方のビニール袋が発見されたのですが、不思議なことに血が付着していた。刑事さんに『なんで血がついているんですか。指紋は調べたんですか』と聞くと『検証作業をしている間に怪我をして血が付いたんじゃないですかね』と言っていた。
自ら喉を刺したとすれば、なぜナイフが丁寧に足元に置かれていたのか。疑問点を考え出せばキリがなかった」
X子は葬式の時にも来なかった 彼女から電話があり、「私、遺体は引き取りません」といった。
その後、X子は銀座でホステスになり木原氏と結婚している。
2018年春、1人の女性刑事がこの事件に疑念を抱き、動き出す。
事件当時、X子はYという男性と“親密”だった。そのYが事件当夜、彼女の家の方向に向かっていたことがNシステムから判明した。 当時、Yは覚醒剤取締法違反容疑で収監中だった。Yは「あのとき、X子から『殺しちゃった』と電話があったんだ。家に行ったら、種雄が血まみれで倒れていた」と証言した。
2018年10月9日、木原誠二氏の自宅がある東京都東村山市のマンションに捜査員たちが踏み込み、木原氏の妻に任意同行を求めた。 幼子がいることを考慮して、後日、出頭してもらうことになったそうだが、彼女は「事件には関与していません」「わかりません」と それから1カ月後、突然、女性刑事たちは事件から外されてしまった 。
当時の捜査員は「自民党を敵に回すよ。最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が『やめろ』という話」だと、文春に語っている。
愛人のA子が知人に語っていた録音音声が残っている。 「(X子さんが)連行された時、すぐ来たんですよ。私(のところ)に。あの人(木原)。『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」 しかし、「やっぱり『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』っていう話になり。(私が)『連行させればいいじゃん』って言ったら『子供もいるし、どうすんだ』みたいな話になって」という言葉が残っている
愛人A子がなぜこのような録音を録っていたのか不可解な話である。
両親は捜査再開を求めて上申書を提出
文春は、Yは事件当夜X子に呼ばれて事件現場に行ったことを認め、「ただ、結局、僕の話があったとしても、やっぱり落ちないと。結局そこじゃないですか。守られている砦が強すぎるから」
7月17日付 両親が警視庁大塚署長に宛てて上申書を提出した。「私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでおります」 警察は「事件性はない」両親は、「事件をなかったことにするつもり」だと批判し嘆く。 種雄氏の友人たちも「捜査の続行」を求めて署名活動を始めるそうだ。
7月22日、木原氏の妻が文藝春秋を相手取り、日本弁護士連合会に人権救済を申し立て
警視庁捜査1課幹部は13日、報道各社の取材に『所要の捜査をした結果、事件性は認められなかった。死因は自殺と考えて矛盾はなかった』と説明。
警察庁の露木康浩長官は13日の記者会見で報道を問われ、『警視庁において捜査等の結果、証拠上、事件性が認められない旨を明らかにしている』と述べた」(朝日新聞7月25日付)
文春(8月3日号) 佐藤誠元警部補が 「警察庁長官のコメントは頭にきた。何が『事件性はない』だ。あの発言は真面目に仕事をしてきた俺たちを馬鹿にしてるよな」
「あのとき捜査に関わった三十人以上のメンバーは誰しも、捜査を全うできなかったことで今でも悔しい思いをしている」
「俺は去年退職して、第一線を退いた。失うものなんてない。職務上知り得た秘密を話すことで地方公務員法に引っかかる可能性がある、だ? そんなことは十分承知の上だ。それより通すべき筋がある。現役の奴らの想いもある。もう腹は括った。俺が知っていること、全部話すよ」
佐藤氏が文春の取材に答えた時間は延べ18時間にわたった。 捜査は、警視庁捜査一課特命捜査対策室特命捜査第一係(通称トクイチ)十数人、サツイチ十数人、大塚署を含めて3~40人体制だった。「これは特捜(特別捜査本部)並みの人数だよ。サツイチが入り、『やっぱり事件ではありませんでした』なんていう話は、俺が捜査一課にいた十八年間で一度もないよな」(佐藤氏)
Yの供述を軸に、捜査は進み、2018年10月9日に、木原氏の妻に任意同行 木原氏が立ちはだかり、「今日は勘弁してくれ」「後から連絡する」と拒否。送迎車で2人はその場を後にした。 その時、木原氏は自民党情報調査局長。
「捜査のハードルが上がるのは当たり前の話だろ」(佐藤氏) 翌日からX子の聴取が始まった 。 「木原との第二子が生まれたばかりで子育てが優先。聴取は午後1時頃から夕方までが多かった。でも、最初は無口で全然喋らないさ。それでも連日、自宅近くの病院まで車で迎えに行き、警視庁本部で聴取する日々が続いた」(佐藤氏)
世間話には多少の受け答えをするが、事件のことはまったくしゃべらなかった。
DNA採取のための採尿や採血、ポリグラフ(嘘発見器)も拒否した 。
木原氏も捜査員と複数回面会し、「女房を信じているから」「〇六年当時に捜査していたら結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ。どうしてそのときにやってくれなかったんですか」
タクシー車に取り付けられていたドライブレコーダー 2人の映像と会話の内容 木原氏は、「大丈夫だよ。俺が何とかするから」「俺が手を回しておいたから心配すんな。刑事の話には乗るなよ。これは絶対言っちゃ駄目だぞ。それは罠なんだから」
佐藤氏はこの声を聞いて、「もうX子は絶対に喋らないと思ったな」
10月下旬、国会が始まる直前、突然、「明日で全て終わり」と上司である佐和田立雄管理官(当時)から告げられた
佐藤氏は 女性ひとりで、大柄な被害者を頭の上から刺すことはできない。血の付いたナイフに両面テープを巻き、後から来たYの指紋をつけるよう工作してあった。彼女と親しい別の男、Zがいたとみている。
文春(8月10日号) 事件当夜、大塚署に種雄氏の家庭内暴力についてZが相談に行っている 。事件が起こり、捜査一課はZにも任意聴取をしようとしたが、「途中で拒否された」(佐藤氏)
Zは文春の取材に激昂した。「もう覚えてないっちゅうの。現場には行ったよ」
7月28日、佐藤氏は会見を行った。140人近くの記者たちが詰めかけたが、やはり、新聞もテレビも大きく報じることはなかった。
文春(8月10日号) 7月24日に父親と種雄氏の2人の姉を大塚署に呼び出し、捜査一課の担当者が、「事件性は認められません、捜査は尽くしています」
次姉は「今回は根拠も説明せず『捜査は終わっています。当時の捜査員がいないので、終わった時期はわかりません』と言うのみでした」
文春(同)で元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は 「被害者遺族が告訴人となり、被疑者不詳のまま殺人罪で刑事告訴をするという手段があります。これは遺族の告訴権に基づくもので、捜査機関には、告訴をされたら受理しなければならないという義務が課せられている。さらに、警察は告訴を受理すると、検察庁に事件を正式に送付しなければならない」
検察が不起訴にしても検察審査会に「不起訴処分は不当だ」と申し立てすることもできるのだ。 木原氏は「報道については刑事告訴した」(読売新聞オンライン 08/01 17:12)
文春初砲が放たれて以来すでに三週間以上が経つ。約40年前の三浦ロス疑惑事件を思い出した。通勤の帰りに文春をキオスクで求め読み耽った。
大方の意見を集約すると以下のようになる。
①xyz三人それぞれが違うことを言っている。あたかも映画「羅生門」のように。
x:隣の部屋で寝ていて知らなかった。
y:xから殺したと電話がかかってきて現場に行くと死んでいた。
z:夜10時に大塚警察署にxのDVについて相談に行った。
②元捜査一課刑事と種夫氏父のみが本当のことを言っている。
③木原副長官はドラレコにより捜査関与の証拠があるが、それによると「慰めの一時的嘘」であるとも抗弁できるとのこと。
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」でフョードル殺しの犯人が当初はっきりしないままに長男ドミトリーが有罪にり、どんでん返しでスメルジャコフが犯人だったと明かされる。スメルジャコフはイワンに教唆されたと言い、イワンは自責の念から狂死することが示唆されている。
かつて夢中で読んだ時に途中まで読者のわたしもすっかり作者ドストエフスキーの仕掛けたわなにハマっていてスメルジャコフが犯人だとは思いもしなかった。
三人をxyzと匿名で呼んだのは文春だ。いまだに三人の実名報道は避けている。
ところで何も考えずに三人をxyzと付けたとは考えにくい。あなたならどうするだろうか。わたしなら最も疑わしい人にzを当てる。
状況を知らない人がこのxyzの匿名のみで推理するとやはりzが最も疑わしいと匂わせる仕掛けになっていると思うがどうだろう。そしてxyzの発言がそれぞれ理詰めで腑に落ちる。zがドストエフスキー並みの筋書きを考え実行したとすると歴史に残る事件になる。
zがドストエフスキー並みの筋書きを考え実行したとすると以下の展開になる。
zは元公安で込み入った事件の専門家だ。娘のxが可愛いし幸せになってほしい。それを邪魔するのがDVで覚醒薬中毒の種雄であり、xの不倫相手のこれまた覚醒薬中毒のyだ。
娘から相談をされたzはこの厄介な二人を一挙に片付ける方法を考えついた。周到に自ら大塚署にDVを相談し、xに寝たふりをさせてyに殺したと電話をさせ呼び出す。yも殺人罪で逮捕され娘の幸せを邪魔する厄介な二人を一挙に片付けることに成功する予定だった。
しかし覚醒薬中毒の種雄の父が夜の3時に現れたことで筋書きが狂い、yも手袋をして現れたのでこれまた証拠を残さなかった。
事件はこのまま推移すれば物的証拠の決め手に欠け、三浦ロス疑惑事件とは状況が異なり迷宮入りの様相を示し始めているとも伝えられる。政治家の介入、警察制度と背後に巨大な問題を秘めた事件であり是非とも解決してほしい。
ドストエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」でフョードル殺しの犯人をスメルジャコフとしながらも文学的犯人は無意識に教唆したイワンだとしている。
この世紀の大事件は今後作家の手によって小説化されるだろう。果たしてxはどのように描かれるだろうか。