長田弘の詩「最初の質問」から。
ゆっくりと暮れていく西の空に祈ったことがありますか。
13年前は毎夕のようにスミニャックのビーチへ親子で散歩に出た。茜色に染まる夕映えで何かを祈っていたのだろうか。
何を祈るでもなくただただその美しさに感動していただけかもしれない。今となっては思い出せない。
この人たちは祖霊に懸命に祈っていた。もっとも純粋な祈りの形式。
イタリアのシチリア島で恩寵の夕暮れを見た。
バリで見た夕暮れはブッダを連想する。
バリの人々は特に祈りを意識しない。ただその美しさを黙して眺めている。