司馬遼太郎は多くの著作を残して1996年に73歳の生涯を閉じたが多くの日本人に読まれ、若者にも経営者にも好んで読まれた。中でも「竜馬がゆく」は未だに人気を保っている最高傑作だ。この作品の竜馬が孫さんの人生に文字通り決定的な影響を与えた。
小説がこれほどまでに人に決定的な影響を与えた例はそうあるものではない。15歳でこの小説を読んだ孫さんのその後の人生の行動規範にり、金だけを追いかけがちな世の事業家と一線を画することに成功しているのではないか。
司馬遼太郎は創り出した竜馬を世界のどこにだしても通用する青春像と自負している。
司馬遼太郎が創り出した竜馬が現在までの孫さんを導いたと言っても過言ではない。作品中の人物がこれほどまでに影響を与えたことは世界的にみても例がないことではないか。
坂本竜馬は11月15日に生まれ、33歳の人生を駆け抜けた。そして同じ11月15日に暗殺された。暗殺の下手人はいまだに定説がない。最近では土佐藩の後藤象二郎だとの説もある。また、竜馬に歴史的成果はないとも言われている。まさに物語の力を改めて思い知らされる。
司馬遼太郎は暗殺については書くに値せず、特段の興味を持たないと述べる。彼が歩いた道だけが興味があったのだろう。つまり創作された竜馬に興味があったと言える。そして物語が史実よりも力をもつ。それもまた創作の巨大な効用と呼べる。