サヌールに住んでいた
海辺があり寺院がありたくさんの樹があった
市場には浜で上がった魚が並び
陸でとれた野菜や果物が並び
豚や鶏に牛がほのかな湯気を立てて並んだ
暑い陽の射す屋根の上に
スカルノのホテルが あたりをはらう
クタからスミニャック サヌールへと
空の雲に乗るように街々と人々の中でわたしは住んだ
着いたかと思えばまた別れを告げて
乾季がきて雨季がやってくる中
何回も穂がやってくるなか
クタビーチの夕べ
黄金にかがやく砂浜のなかに
隕鉄で作られたダヤックの剣のように
わたしは柔らかい手を差し込んだ
海辺の最も子宮にちかいところに
一連の顔が海の子どもたちのように輝く