まさおレポート

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バリのカフェで前世の話に興じる

2018-05-28 | バリ島 不思議な話・死後の世界・輪廻・自己とは

サヌールのとあるカフェで「どうして人は前世を覚えていないのだろう」と顔なじみのヨーロピアンが私に質問を投げかけてきた。

「前世を覚えていたら日常生活で面倒なことになる。あなたは前世で私を殺したかもしれないし、あなたと彼とは夫婦だったかもしれないし、その前世が無限に存在する事になる。その理屈を推し進めるとすべての人間のみならず、すべての創造物が無限にある前世の一つで密な関係を持っていたことになる。それを一々覚えていたらとてもまともな人生を送れなくなり、収集がつかなくなるよ」と私は答える。この回答はとっさに思いついたものだが、我ながらなかなか気に入った。

「それに、そんなにたくさんの記憶をため込んでおけるには、脳内の記憶容量が少なすぎる。現在の容量が仮に500ギガビットとしたら500ぺタビットのメモリーと入れ替える必要があるよ」とこれはジョークのつもりで付け足すと大うけで笑い出した。

ギガ、テラ、ペタ、エクサ、ゼタ、ヨタよりも凄いメモリーが必要だ」と別の物知りのヨーロピアンが混ぜかえす。日本だと無量大数とか、恒河沙とかいう単位があったと思うけど英語で表現するには絶望的に無理で、黙っている。

「前世を覚えていたら生きていくのになにかと不便だ。それに脳にも随分と余計な負荷がかかる。わずらわしくてつまらない。前世の記憶の先入観に囚われるし、先が見えすぎて生きていく気が失せてしまうのではないかな。それで前世を覚えている人達は行きづらくなり、進化論的に淘汰されていき、前世を覚えていない人達が生き残ったってわけさ。その結果たまに中国のある村の人々とか、アメリカの幼児が硫黄島での撃墜を覚えているとかごくレアケースとして話題になるが、限られた少数派になったのだと思う」とさらに物知りのヨーロピアンが付け足す。なるほど、この説が最も合理的な気がする。

「進化して前世の記憶が消失したとしても、その根拠はあるのか」と別のヨーロピアンが尋ねる。

「女性が出産するときに大量にでるホルモンがある。そのホルモンはいわば忘れ薬で、出産のとんでもない痛みで女性は2度とふたたび出産したくないと思うが、それでは人類は滅びてしまう。そこで大量の忘れ薬を分泌して、この痛みを忘れさせてしまう。女性は再び第2子、第3子を産むことになる。その忘れ薬はベビーの前世の記憶も消してしまう。だからこの忘れ薬は二役をすることになる。これはあくまでも私の仮説だけどねと私が助け船をだす。このホルモンの正体はオキシトシンと名づけられ「幸せホルモン」「抱擁ホルモン」とも呼ばれるが、このことは出産を経験した娘から教えてもらった。

「神道では死んだらどこへ行くのか。輪廻の考え方はあるのか」と前世の話を持ち出したヨーロピアンがさらに私に尋ねる。「黄泉の国にいって、もう二度と帰ってこないと思うが、実はよく知らない」と古事記を思い浮かべながら答えると、
「黄泉の国はどこにあるのか」とさらに質問を重ねてくる。

「地下だよ」「地下って地獄(ヘル)の事じゃないのか」「地獄とは違う。単に地下にあるというだけだよ。仏教の地獄絵図のようなものとは全く異なる」と応答をするとヨーロピアンは

「私はもともとはカソリックだったが、子供のころに洗脳された地獄の恐ろしさから脱却するのに大変だった」と述懐する。黄泉の国が地下にあるとの話から連想でカソリックの地獄に想いが移ったのだ。

「誰でも金を払えば天国に行ける。その反対に金を払わなければ地獄なんて、そんなの嘘っぱちの話だよ」と別の物知りのヨーロピアンがカソリックの免罪符の話を引き合いに出して地獄を否定する。このヨーロピアンは二人とも60歳を超えている。この年代のヨーロピアンはカソリック教会の信仰に疑いの目を向けて悩み、それなりの結論を得ている人が多いと思う。


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