サヌールの浜辺で(読み人知らず)
静かな波が寄せる
サヌールの砂に足跡を刻む
柔らかな風が髪を揺らし
静けさの中に溶けていく
海の向こうに広がる青
遠くの島影が霞む
心の波も穏やかに
ただ、今この瞬間を感じる
砂に残る小さな貝殻
時の流れを見つめていた
過去も未来も溶けて
今だけが優しく包み込む
バリの風、サヌールの光
ここにあるのはただの平和
歩み寄る足音が消えていく
潮騒の音が心に響く
ウブドの祈り(読み人知らず)
静寂の中に響く心の声
ウブドの古い寺院の前で
一輪の花のように膝をつき
祈りを捧げるその姿は、風のように優しい
香の煙がゆらめき
空へと溶けてゆく
色とりどりの供物が
神々へと届けられる
石の彫刻が見守る中
時は止まり、ただ祈りだけが流れる
永遠の瞬間に包まれて
心の安らぎが広がる
ウブドの地に響く祈り
自然と一つになり
心の深淵へと沈み込む
祈りの静かな波が、世界を満たす
デンパサールの葬儀(読み人知らず)
光と影が交差する道
デンパサールの街に響く静寂
葬儀の行列がゆっくりと進む
色鮮やかな衣装に身を包んだ人々の祈り
彼らが手にする供物は
亡き人への最後の贈り物
一つ一つが、愛と敬意を込めて捧げられ
魂を導く光となる
黄金の花飾りが揺れるたび
風がその重みを運び去る
生と死の境界を越えて
新たな旅路へと続く道しるべ
伝統が息づくこの島で
葬儀は別れの儀式
だが同時に、新たな出発の一歩
永遠の輪廻の中に、生き続ける祈り
デンパサールの街並みに
人々の想いが溶け込んで
魂が天へと昇る瞬間
静かなる儀式が、心に刻まれる