2006/05/15~18
追記 2017年5月25日からG7サミットがシチリア島タオルミナで開催,26日は安部ートランプ首脳会談が行われた。難問解決にこの島の風光が多少でも役立ってくれれば。
ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港からカターニア・フォンタナロッサ空港に着陸する前にエトナ山が姿を見せる。富士に高さも姿も似ている。活火山、標高は3,326m。
ジャルディーニ・ナクソス。カターニア空港から北北東へ40kmの位置にある。メッシーナ県、人口9500人、タオルミーナ湾に面し、古代ギリシアの植民都市ナクソスに起源を持つ。ビーチに1 2 3 ・・・8 とナンバーの振られたシャワー室が見える。
ジャルディーニ=ナクソスからはタオルミーナの遺跡が望める。
ブーゲンビリアの咲き誇る小道から遺跡を遠望する。
遺跡をアップで見ると随分断崖絶壁に建設されたことがわかる。エトナ火山から噴出した溶岩流が溶岩台地を形成し数万年かけて浸食されタオルミーナは溶岩台地の断崖の上に開けた。
民家の玄関にあるタイル「猛犬注意」。大真面目で警告しているのだろうが犬の表情になぜか笑ってしまう。
小さな島の頂上部にも別荘らしき建物が見える。イゾラ・ベッラ(Isola Bella)は、イタリア語で(Isola=島、Bella=美しい)イタリアにはで、この名称の島は幾つかあるが、タオルミーナのイゾラ・ベッラは、フランス映画「グランブルー リュック・ベッソン監督 1988年」のロケ地として使われた美しい小島。タオルミーナで開催されるフリーダイビング競技でエンゾ、ジャック、ジョアンナが出会う。
主人公のジャックマイヨールもエンゾも実在のプロの素潜りダイバーだ。エンゾはダイブ浮上中に死亡した。この映画が作成されたあとジャックマイヨールはどこかの島で若い妻と結婚して暮らしていると聞いていたらその内自殺した。自殺の原因はいまだ分かっていない。
以前に一度この映画は見ているが、ジャック・マイヨールが元気な時代のことだ。この映画の中で素潜り世界選手権大会の開催されるシチリアのタオルミナは昨年に訪れた。タオルミナは海辺の町で、小さなペンションに三泊した。そこからボートで海にでてこの映画でパスタを食うシーンのレストランを遠望した。
そんなこんなでこの映画を再度観る機運は高まっていた。完全版は映画よりも50分近く長い。167分は少し長いなとは思いながらも最後まで楽しく観ることができた。
映画作成後のジャック・マイヨール自殺の事実を知ってこの映画を観るとラストのシーンはその後の彼の運命に不思議な符合を見せる。ライバル・エンゾの事故死の後を追うように海に潜って深海で幻想のようなイルカと戯れる姿はその後浮上するともしないとも不明のままに終わる。
しかし、その後の事実を知った上で見ると、これは浮上しないのだと確信できる。海とイルカをこの上なく美しく描くことに成功しているのに、さらにジャック・マイヨールがイルカと海にあまりに同化してしまった為か人間世界に対する厭世感をも描こうとしたらしい。「浮上する理由が見当たらない」とのセリフを彼にはかせている。
イオニア海を望む。
瀬戸内海よりも波が静かだ。
高台から見下ろすと少し煙った空に青い海が見える。
「タオルミーナは、エドワード朝時代の人々によって、退廃的に遊び暮らす場所として目をつけられた。ヨーロッパ北部から避寒に来る外国人たちのスキャンダルが渦巻く街として名を馳せていたのだ」(ポール・セロー 大地中海旅行)
そう思って眺めるとそんな光景も思い浮かぶような。
こうしてみると糸杉が多い。
ビクトリア朝の骨董品を売る店に見入る観光客。緑のランプが気になる。ウンベルト通りの路地。
ウンベルト通り。
石段とアイビーの垂れ下がる古びた建物のある小道。ウンベルト通りの路地風景。
日本人っぽい人も歩いている。ウンベルト通りの路地。
それにしても窓の花が古びた建物によく似合う。ウンベルト通りの路地。
タオルミーナ教会が見えてきた。
イオニアの青い海が広がり観光船がのんびりと浮かぶ。
タオルミーナ教会。
古い教会1
ショウウィンドウ 色彩に魅かれて。
ショウウィンドウ ビーズに魅かれて。
フルーツショップ 色彩に魅かれて。
窓辺の花1
窓辺の花2
窓辺の花3
壁画 聖母像
古い教会の鐘
街灯1
高台の教会と花。9世紀にビザンチン、10世紀にはアラブ、ノルマンの支配を受ける。タウロ山 Monte Tauro から下る丘の斜面に街を築いた。
街灯 鋳鉄のフォルムに魅かれて。
紋章のレリーフ。
ランプ 金属の質感と白い花に魅かれて。
要塞あるいは教会 堅固な砦
レンガのアーチ 古代の精妙さに魅かれて。
4本の石柱 一石からとった石柱に見える。
ギリシャ劇場 観覧席。紀元前8世紀に古代ギリシア人が植民を開始した。古代ギリシア劇場 Teatro Greco はシラクサよりも規模は小さいがエトナ山とイオニア海を背景にした豪華な劇場だ。
円形劇場 入場門か。
コリント式の柱頭。
石 石 石 石。
ギリシャ劇場 底部で発する音が上段まで良く聞こえる。
ギリシャ劇場から湾を望む。
4本のオーダー。
葉物 花物 象牙色の色彩に魅かれて。
街灯 形の面白さに魅かれて。
寂れ気味の古い民家に立派な街灯。
柑橘とランプ。
テラスのある遺跡。
ゴツゴツした壁肌にランプ。
クレオパトラ風の鉢。
陶器の美女 頭部。
豪華客船が浮かぶ。映画、太陽がいっぱい (アラン・ドロン ルネ・クレマン監督 1960年)のロケはイスキア島で行われたが、フィリップが保養に出かけていく先はタオルミーナ。
「彼女たちは人生における仮象の意味を身をもって語っている。彼女たちが存在の高貴さに達するのは、この徹底した非現実性、非生産性の点で貴族に似ているためかもしれない・・・タオルミナの町が現代ではほとんど見られなくなったこの高等娼婦性を実に見事に現しているからである・・・酔わせるような濃厚な南国的気分と、贅沢で放埒な官能性を漂わせる点では、タオルミナはその一、二を争うだろう」辻邦生『美しい夏の行方』
サント・アンドレア岬の沖の青の洞窟に