バリのネカ美術館でバリの著名な画家レンパッドの一連の絵画を見た時のこと、一枚の絵がなんだか桃太郎に似ているなと思った。
気になってネットで調べるとラマヤナ物語と桃太郎の類似性が記されていた。ラマヤナ物語は紀元三世紀にインドで生まれたヒンドゥの物語だが日本には宝物集という仏教説話集に猿、熊、禿鷹の物語として鎌倉時代に伝わっている。
熊が犬に、禿鷹が雉に、猿はそのまま伝わった。スリランカが鬼ヶ島で羅刹王が鬼になっている。ヒンドゥと仏教の混交が歴史的に見られる一例だ。
バリで桃太郎のルーツを発見するとは思わなかったな。ワルター・シュピースはラマヤナ物語をケチャに取り入れているが、何処でこの話を聞いたのだろうと気になっている。ボルブドール、あるいはタイ、カンボジアなどの仏教国で聞いたのだろうか。